日本株「非理性的悲観 (irrational pessimism)」の是正が始まった
~日経平均4万円へ一直線、さしたる押し目はない~

【ストラテジーブレティン(274号)】

株価の急騰は驚異的で、日経平均は30,000円とバブル崩壊以降30年振りの大台回復を果たした。今年に入ってからの株式パフォーマンス(2月19日まで)は、日本(日経平均)が+8.8%で先進国中最高、米国(SP500) +3.8%、欧州(STOX600) +3.2%を大きく上回る。世界的な半導体ブーム、その恩恵をフルに受けている韓国KOSPI +8.1%、台湾加権+11.0%に伍する好パフォーマンスである。株式バブル説花盛り、読売新聞や毎日新聞は連日コラムや社説で、株価バブル批判を展開している。だがそれは誤りである。メディアも専門家も、言質に責任を負うべき、言いっぱなしではいけない。投資家にとって2021年の最大のリスクは、「持たざるリスク」であり、「資産価格下落リスク」でないことは、昨年と同じであろう。

(1) 日本にだけ定着した「負のバブル」の是正
Irrational pessimismの正体
日本株式に関して「非理性的ペシミズム(irrational pessimism)」の是正が始まったことが特筆される。過去30年間に米国NYダウは3,000ドルから30,000ドルへと10倍になった。しかし日本株式(日経平均)は30,000円と全くの横ばいであり、株式パフォーマンスは10分の一という極端な割負けであった。この10分の1を形成している中身は半分が異常な値上がりバブルの是正であったが、あとの半分は「負のバブル」の形成であった。1990年には預金金利・債券利回りが8%の時に、配当利回り0.5%、株式益回り2%(PER50倍)であり、株式は明白なバブルであったが、コロナ前の2019年も預金金利・国債利回り0%の時に、配当利回り2%、株式益回り8%(PER13倍)となっており明白な「負のバブル」であった。

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