ユーロ圏GDP速報(2019年10-12月期)について

2020/02/03
  1. 実質GDPは前期比年率+0.4%と減速しました。企業の投資活動の不振が影響したと見られます。
  2. 在庫環境に改善の兆しがあり、金融緩和の効果もあって、景気は春以降持ち直してくると予想されます。
  3. ユーロ相場は、ウイルス対策が景気に与える影響を見極めるべく、当面はもみ合うと見込まれます。

固定資本投資が大きく減速か

1月31日、Eurostat(EU統計局)が発表した2019年10-12月期GDP統計速報によると、実質GDPは前期比年率+0.4%と7-9月期の同+1.1%から減速しました。2019年としては最低水準にとどまりました。ちなみに、2019年年間(推定)は+1.2%でした。

内容が未発表のため、主な経済指標で推測すると、小売売上高は前期比年率+1%程度、貿易収支は7-9月期に対して黒字増加傾向と、個人消費と外需は底堅かったと見られます。一方、固定資本投資はドイツの資本財受注動向を見る限り、前期比数%の純減が見込まれ、企業の投資活動の不振が減速に影響したと見られます。また、在庫投資も減少が推察されます。ただし、在庫投資減少は、先行きの企業活動回復を示唆するともいえます。金融緩和の効果も今後期待され、ユーロ圏の景気は春以降持ち直してくると予想されます。

アムンディでは2020年もユーロ圏は+1%強の成長を予想していますが、年前半から後半にかけて成長ペースは次第に上がってくる(年率+0%台後半から同+1%台後半)と見込まれます。

当面はウイルス対策の影響を見極め

ユーロ相場は、世界的な景気先行き不安の減退から2019年秋以降上昇しました。しかし、年明け後は、米・イラン間の軍事的緊張(このリスクは縮小)に始まり、足元では新型ウイルス対策による景気の下振れが懸念され、市場のリスク回避指向が強まり、反落しています。

ユーロ圏の景気が2019年末辺りを底に持ち直しに転じるという見方は、現時点では変えていません。しかし、新型ウイルス対策で、中国やその他の主要国での経済活動抑制の規模が拡大すれば、年後半に向けて景気が持ち直すシナリオが揺らぎます。市場は、このリスクを見極める局面にあり、ユーロ相場は当面もみ合うと予想されます。

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