カクヤス<7686>個人向け酒類販売のハイブリッド・ビジネスモデルを構築

2020/01/08

東京・大阪圏で、自社店舗・配達網による業務用、個人向け酒類販売のハイブリッ
ド・ビジネスモデルを構築

業種: 卸売業
アナリスト: 鎌田 良彦

◆ 東京・大阪圏で業務用向け、個人用向けに酒類を販売
カクヤス(以下、同社)は、東京都23区を中心に、神奈川県、大阪府等の大都市圏に、自社の店舗網と物流・配達網を持ち、料飲店等の業務用向け、個人向け双方への酒類販売を主な事業としている。連結子会社としては、何れも100%出資で、和酒(日本酒、焼酎)販売の検校、取引先等への投資と投資管理を行うNSK、社員向け社宅等の運営・管理を行うKYマネジメントがある。

売上高は酒類販売事業の単一セグメントであるが、同社では売上高を料飲店等向けの「業務用」、個人向けの「宅配」、店舗の店頭売上である「POS注1」、「卸その他」の4つに区分している(図表1)。業務用と宅配を合わせ、売上高の86%が配達による売上となっている。

酒類別には発泡酒や新ジャンル(第3のビール)を含むビール類が19/3期の仕入高比率で46.5%となっており、中でもビールの比率が競合他社に比べて2倍程度と高い。

◆ 3つのブランドを展開
ブランド別には、主に「なんでも酒やカクヤス」、「KYリカー」、「CORK」の3つを展開している。

「なんでも酒やカクヤス」は東京都23区を中心に横浜や大阪等でドミナント展開しており、店頭での販売に加え、個人向けの宅配、業務用向けの配達も行っている。近年ではワイン類の販売をメインとする「KAKUYASU class」の出店も行っている。「なんでも酒やカクヤス」の拠点は、店頭販売を行わない小型倉庫、全国向け出荷を行うWEBセンターを含めて19年10月末で173カ所となっている。

「なんでも酒やカクヤス」では1店舗の商圏を半径1.2kmの小商圏とし、対象地域の顧客向けに1時間枠単位でビール1本から無料配達をしている。宅配だけでなく、花見やバーベキュー等のイベント場所への配達も行っている。

「KYリカー」は神奈川県を中心に東京都下や埼玉県川口市等の郊外に酒の大型専門店として出店されている。店舗数は19年10月末で29店舗となっている。「CORK」は個人向けギフトとして酒と花をセットで販売する店で、19年10月末で新宿店1店舗のみである。

業務用向けの定期配達(ルート配達)は主に、首都圏と大阪府に19年10月末で11カ所ある業務用センターから行われているが、追加やスポットの注文等は「なんでも酒やカクヤス」店舗から配達される体制となっている。

19/3期の売上区分別、出荷拠点別の売り上げ構成比は、図表2の通りである。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。