インティメート・マージャー<7072>企業のマーケティング を支援する事業を展開

2019/10/28

インターネットユーザーの属性データを蓄積・活用し、企業のマーケティング
を支援する事業を展開

業種: サービス業
アナリスト: 阪東 広太郎

◆ 独自のDMPを活用したマーケティング支援サービスを提供
インティメート・マージャー(以下、同社)は、創業以来蓄積してきたオーディエンスデータ注1により構成される同社独自のデータマネジメントプラットフォームである「IM-DMP注2」を活用した、企業のマーケティングを支援する事業を展開している。

具体的には、1)顧客企業の広告配信・運用を支援する「マーケティング支援」や、2)顧客企業自身が保有するデータとIM-DMPのデータを組み合わせてデータ分析を行う環境を提供する「データマネジメント」、3)顧客に対してIM-DMPが保有するデータを提供する「データアナリティクス」を展開している。また、4)企業の営業領域や人事領域、金融機関のリスク管理向けのサービスを開発・展開している。同社はDMP事業の単一セグメントで、上記区分に関する売上構成比は公表していない。

◆ パブリックDMP「IM-DMP」
同社のパブリックDMP注3であるIM-DMPは、インターネット利用者の属性データを保有している。1つのWebブラウザに1つのIDを割り当て、Webブラウザを最小構成単位として、インターネット利用者に関するデータベースを構築している。IDに対して、デモグラフィックデータ(性別、年齢、職業等)、ジオグラフィックデータ(居住地等)、サイコグラフィックデータ(趣味、嗜好、興味、関心事項等)等を集積している。これらのデータはWebメディアやデータプロバイダー、インターネットリサーチ会社から入手している。なお、同社が保有する属性情報に個人情報は含まれていない。IM-DMPは約4.7億UB注4のIDを保有している。これは同社によると、約9,400万人に相当するデータである。

◆ 「IM-DMP」を活用したサービス
同社は、マーケティング領域において、顧客のデータ分析・活用の習熟度やニーズに応じて、IM-DMPを活用したサービスを提供している。

顧客自身でデータ分析・活用が可能な場合は、IM-DMPが保有するデータのみを提供し、データ分析環境まで期待される場合には分析環境を整備している。顧客内にマーケティングやデータ分析の専門人材がいない場合などは、IM-DMPを活用した広告配信を効率的・効果的に行うためのコンサルティングサービスを提供している。

IM-DMPを活用することで、自社サイトに来訪した顧客への広告配信の効率化や、今までアプローチできていなかった新規顧客の発掘および、適切なマーケティング手法を提案することができる。

近年はコンサルティングに加えて、同社がIM-DMPで保有しているデータを使った広告配信・運用までワンストップでのサービス提供も行っている。同社によると、広告配信・運用を通して顧客の評価を得る事で、サービスの継続利用や受注金額を増やす機会を得ているようである。

◆ 販売チャネル及びサービス導入社数
顧客の獲得に関しては、広告代理店経由が約7~8割を占めている。同社のサービスは機能面・価格面の魅力が説明しやすく、広告代理店が積極的に拡販している。

課金前も含めた同社のサービス導入社数は、19年6月末時点で1,359社に達しており、顧客分散が進んでいることが伺える。また、同社によると、17/9期以降、2期以上連続で売上構成比が10%を超える顧客はいないものの(図表1)、多くとは継続的な取引があるようである。

同社は、サービスごとに異なる課金体系を取っている。マーケティング支援は価格や契約期間は案件ごとに個別に決められ、配信媒体の購入費も価格に含まれる。データマネジメントおよびデータアナリティクスに関しては、月額課金方式で、価格はおおよそ35~40万円/月程度で、契約期間は半年~1年の場合が多い。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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