堅調に推移する米国株式市場 グローバルな需要を取り込む「情報技術」が牽引

2019/09/20

堅調に推移する米国株式市場 グローバルな需要を取り込む「情報技術」が牽引

【ポイント1】ひとまず追加利下げを織り込む

米中閣僚級協議開催期待が支え

■米国株式市場は、9月18日に米連邦準備制度理事会(FRB)の0.25%の追加利下げと今後の追加緩和の可能性をひとまず織り込みました。当面は、10月初旬に開催される米中閣僚級協議の内容が合意に向け一歩前進するとの期待が引き続き支えとなる見通しです。

【ポイント2】「情報技術」が堅調

グローバルな需要を取り込む

■S&P500種指数は年初来9月19日までで+19.9%の上昇です。セクター別に見ると「情報技術」が+31.1%、「不動産」が+26.6%、「コミュニケーション・サービス」が+23.5%、「一般消費財・サービス」が+22.8%と好調です。「不動産」は米中貿易摩擦の影響を受けにくく、「コミュニケーション・サービス」や「一般消費財・サービス」は好調な米国の消費によって支えられていると考えられます。米国株式市場の売上高の地域別構成比を見ると米国が62%を占めていることからも窺えます。一方、「情報技術」は、米国は44%に過ぎず、アジアが30%(中国14%)、欧州が16%を占めるなどグローバル展開が大きな特徴です。米国内の堅調な需要に加え、アジア・中国やその他グローバルな需要も取り込んでいると思われます。

【今後の展開】引き続き「情報技術」が牽引役となり堅調な推移を見込む

■米中交渉は今後大きなヤマ場を迎えると考えられます。不透明感は依然として残りますが、金融政策に対する信認が強く、極端な下振れリスクは回避されると考えられます。

■加えて、「情報技術」が引き続きけん引役になると思われます。「情報技術」には半導体製造装置等が含まれますが、ソフトウエア・サービスのウエイトが高く、その半分以上を占めます。こうした企業はネットワーク経由のサービス(クラウドサービス)やペーパーレス化に必要なソフトウエアなどを提供しています。総じて米中摩擦の影響を受けにくく、成長が期待されています。「情報技術」の売上高及び利益の伸び率は2019年を底に2020年以降回復する見通しです。2020年は半導体サイクルの改善などハード面での回復も期待されています。米国株式市場は、引き続き米中交渉に注意を払う必要はあるものの、総じて堅調な推移が見込まれます。

(2019年9月20日)

印刷用PDFはこちら↓

堅調に推移する米国株式市場 グローバルな需要を取り込む「情報技術」が牽引

関連マーケットレポート

2019年9月19日 FRBは市場予想通り0.25%の追加利下げを実施(2019年9月)

2019年9月 6日 吉川レポート(2019年9月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ