ブリッジレポート:(6181)パートナーエージェント 営業利益3期ぶり増益 回復の兆し
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 ![]() 佐藤 茂 社長  | 
 株式会社パートナーエージェント(6181)  | 
 
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企業情報
| 
 市場  | 
 東証マザーズ  | 
| 
 業種  | 
 サービス業  | 
| 
 代表取締役社長  | 
 佐藤 茂  | 
| 
 所在地  | 
 東京都品川区大崎1-20-3 イマス大崎ビル  | 
| 
 決算月  | 
 3月末日  | 
| 
 HP  | 
株式情報
| 
 株価  | 
 発行済株式数  | 
 時価総額  | 
 ROE(実)  | 
 売買単位  | 
|
| 
 293円  | 
 10,432,800株  | 
 3,056百万円  | 
 9.8%  | 
 100株  | 
|
| 
 DPS(予)  | 
 配当利回り(予)  | 
 EPS(予)  | 
 PER(予)  | 
 BPS(実)  | 
 PBR(倍)  | 
| 
 0.00円  | 
 –  | 
 12.80円  | 
 22.9倍  | 
 96.39円  | 
 3.0倍  | 
*株価は 7/3終値。発行済株式数、ROE、BPSは19年3月期決算短信より。
業績推移
| 
 決算期  | 
 売上高  | 
 営業利益  | 
 経常利益  | 
 当期純利益  | 
 EPS  | 
 DPS  | 
| 
 2014年3月(実)  | 
 2,164  | 
 51  | 
 39  | 
 17  | 
 2.04  | 
 –  | 
| 
 2015年3月(実)  | 
 2,664  | 
 146  | 
 132  | 
 79  | 
 8.98  | 
 –  | 
| 
 2016年3月(実)  | 
 3,644  | 
 445  | 
 434  | 
 285  | 
 30.95  | 
 –  | 
| 
 2017年3月(実)  | 
 3,812  | 
 204  | 
 231  | 
 107  | 
 11.37  | 
 0.00  | 
| 
 2018年3月(実)  | 
 4,102  | 
 195  | 
 325  | 
 117  | 
 12.15  | 
 0.00  | 
| 
 2019年3月(実)  | 
 4,151  | 
 216  | 
 208  | 
 90  | 
 8.99  | 
 0.00  | 
| 
 2020年3月(予)  | 
 9,100  | 
 230  | 
 170  | 
 130  | 
 12.80  | 
 0.00  | 
*単位:百万円、円。予想は会社側予想。2017年1月1日付で1:3の株式分割を実施。EPSは遡及して調整。
*16/3期より当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。
株式会社パートナーエージェントの2019年3月期決算概要等をお伝えします。
目次
今回のポイント
1. 会社概要
2. 2019年3月期決算概要
3. 2020年3月期業績予想
4. 今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>
今回のポイント
- 19年3月期の売上高は前期比1.2%増の41億51百万円。主力のパートナーエージェント事業は前期並み、ファスト婚活事業は堅調、ソリューション事業は保育士向け婚活支援サービスの開発等により2桁増収となった。保育事業譲渡に伴い人件費が減少した一方、延期していた広告宣伝を計画通りに展開し販管費は前期並みで、営業利益は同10.9%増の2億16百万円。前期にあった補助金収入がなかったことに加え、敷金償却費が発生したため経常利益は同36.0%減の2億8百万円。婚活パーティーに係る計上方法の変更により貸倒引当金を20百万円繰り入れたことなどから当期純利益は同23.2%減の90百万円となった。パートナーエージェント事業で第3四半期(10-12月)の新規入会者数が減少したことなどから、期初予想に対して売上、利益ともに下回った。
 - 20年3月期の売上高は前期比119.2%増の91億円の予想。株式会社メイションのグループ化に伴い、大幅に伸長する。営業利益は同6.3%増の2億30百万円の予想。同社株式取得に係るのれん約70百万円及び無形資産償却約1億円の合計1億70百万円を見込んでいるため営業利益は1桁増にとどまるが、実質収益力は約4億円。また翌期以降29年3月期まではのれん費用約70百万円のみ毎期計上する。営業外費用でエン婚活エージェント社の先行投資(持分法投資損失)を見込んでおり経常利益は減益予想。
 - 19年3月期は小幅ながらも8期連続増収で、営業利益は3期ぶりに増益となった。パートナーエージェント事業の新規入会者数は8四半期ぶりに2,100名に到達し、今期は年間ベースでも4期ぶりの増加を見込むなど、底入れ・回復を会社側は見込んでいる。競争も激しくなっている中、回復のモメンタムがどの程度のものなのかを注目したい。また同時に、前期から積極的に取り組んでいるM&Aやアライアンス戦略によりどれだけのシナジー効果や付加価値を生み出すことができるのかにも期待したい。
 
1.会社概要
婚活支援を起点に多様なサービスを提供。登録会員の婚活を支援する主力の「パートナーエージェント事業」のほか、婚活パーティーの企画・運営などを手がける「ファスト婚活事業」、これまで競合関係にあった婚活支援サービス事業者と会員の相互紹介を行うことができるオープンプラットフォームである『CONNECT-ship』や、婚活に取り組む企業や地方自治体を対象に、イベント開催の受託からマッチングシステムの提供・サポートを行う「ソリューション事業」、結婚式場紹介、ブライダルリングの販売、保険契約の見直しなど成婚後のライフステージごとの新生活をサポートする「QOL事業」を展開。
「世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。」という企業理念に基づき、各種サービスを展開している。中でも、専任コンシェルジュによるキメの細かいフォローアップと独自システムによる婚活支援により、高い成婚率実績を出していることが大きな特徴。
【1-1 沿革】
2004年6月、ウェディングの企画および施設の運営を手掛ける株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(4331、東証1部、T&G社)が新規事業として婚活支援事業を始めるにあたり、100%子会社として同社を設立した。そのスタートアップにあたり招聘されたのが大手婚活会社で豊富な経験・実績を積み重ねた現社長の佐藤茂氏。
その後T&G社の業況が低調となり、継続的な投資が難しくなったのを機に、2008年5月、佐藤社長を始めとした経営陣と従業員の共同出資により株式を取得し、T&Gグループから独立した。「顧客成果追求」の結果である成婚率の高さを顧客に評価され、業績は順調に拡大。2015年10月に東証マザーズに上場した。
【1-2 企業理念】
佐藤社長が創業時に掲げた想い「顧客成果の追求」をベースに、以下のようなミッション、ビジョンを示している。
| 私たちの想い | 世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。 | 
| 私たちの目指すもの | 1. 婚活支援業界の変革者として「価値」を創造し続け、より多くの成婚の機会をつくります。
 2. 人とともに歩む生涯のサポーターとして、「想い」を「かたち」にした事業を通じて幸せを感じ られる人生の実現を目指します。  | 
| 私たちの行動指針 | ・判断基準はお客様
 ・プロフェッショナルマインド ・情熱至上主義 ・正道を歩む ・主体性をもって成長する ・チームパートナーエージェント ・自らの幸せを追求  | 
佐藤社長はこれらの理念について、具体的な課題やトラブルへの対応など業務を通じてその度ごとに理念に立ち戻り考えることで、初めて社員各人及び組織に理念が浸透すると考えている。
【1-3 市場環境】
<未婚者状況>
*上昇続ける未婚率
総務省の国勢調査によれば、25-34歳の未婚率は男女とも上昇を続けている。

*未婚者の結婚の意思  ~「結婚する意思」は引き続き高水準~
「2016年社会保障・人口問題基本調査<結婚と出産に関する全国調査> 第15回出生動向基本調査」によれば、結婚する意思を持つ未婚者の割合は18~34歳の男性で85.7%、女性で89.3%となっており、「結婚したい」と考えている未婚者の数は依然高水準である。

一方、「一生結婚するつもりはない」未婚者の割合が男女とも上昇してはいるが、その中でも今後「いずれ結婚するつもり」に変わる可能性があると回答した割合は、男性44.1%、女性49.8%となっており、今は結婚するつもりの無い層も半数近くは今後結婚に向けて動き出す可能性がある。
*独身でいる理由 ~25歳を過ぎると適当な相手に巡り会わない~
未婚者に独身でいる理由を尋ねたところ、18~24歳の若い年齢層では、「若すぎる」、「必要性を感じない」など積極的な動機が無いことが多く挙げられているが、25~34歳では、「適当な相手にまだ巡り会わない」という理由を挙げる割合が増加しており、出会いやその機会に対するニーズが大きいことが窺える。

<同業他社>
日本全国には約3,000の結婚相談所などが婚活支援を行っているが、その9割は個人事業主で、全国規模で事業を展開しているのは同社を含め数社のみである。
以下は同社を含めた婚活関連の上場企業である。
| 
 コード  | 
 社名  | 
 売上高  | 
 増収率  | 
 営業利益  | 
 増益率  | 
 営業利益率  | 
 時価総額  | 
 PER  | 
 PBR  | 
| 
 2417  | 
 ツヴァイ  | 
 3,700  | 
 +4.8  | 
 110  | 
 –  | 
 3.0%  | 
 2,768  | 
 115.3  | 
 0.8  | 
| 
 6071  | 
 IBJ  | 
 15,055  | 
 +27.4  | 
 1,800  | 
 +21.9  | 
 12.0%  | 
 36,969  | 
 28.4  | 
 10.1  | 
| 
 6181  | 
 パートナーエージェント  | 
 9,100  | 
 +119.2  | 
 230  | 
 +6.3  | 
 2.5%  | 
 2,869  | 
 21.5  | 
 2.9  | 
*売上高、利益は今期会社予想。単位は百万円、%、倍。
時価総額は直近決算短信記載の期末発行済株式数 × 2019年6月10日終値。
【1-4 事業内容】
報告セグメントとして、パートナーエージェント事業、ファスト婚活事業、ソリューション事業、QOL事業の4事業を展開。
(1) パートナーエージェント事業
顧客として入会した会員に対する情報提供、相手の紹介、出会いの機会の提供を行っている。
会員にはそれぞれ専任のコンシェルジュが婚活支援の担当としてつき、活動設計を行い、プロフェッショナルとして顧客をサポートしている。また、出会いの機会を提供するため、会員同士のイベントを企画・運営するなど付随サービスも提供している。会員構成は男女比で4:6~3:7で女性が多い。

(サービスの特色)
「1年以内を目途に結婚相手を見つけたい顧客」に対し、高いコーチングスキルを持ったコンシェルジュが担当として付き、プロセスに手間や時間をかけず費用対効果の高いサービスを求める顧客ニーズに応えるべく、PDCAサイクルに基づく活動支援を行っている。
コンシェルジュは、婚活支援を通じて人の役に立ちたい、喜びを共にしたいと考えている、子育てが一段落した年代の女性が中心で、2019年3月末時点で128名のコンシェルジュが在籍している。また、「顧客成果の追求」を掲げている同社においては、コンシェルジュの活動について、成婚率、中途退会率などの「顧客満足度」の視点から評価を行っている。
<PDCAサイクルに基づく活動支援のイメージ>
?入会前:サービス内容と料金体系の明確化
入会を検討し来店した顧客には、入会勧奨を行うアカウントエグゼクティブが応対し、サービス内容と料金体系について正確に理解してもらうべく丁寧な説明を行う。しかし、一定の基準に基づき、結婚相手の紹介の継続が難しいと判断した場合には、入会を断る場合もある。これは、入会後月会費等の費用が発生するにも関わらず、コンタクト(お見合い)に至らない、または交際に発展しないなど、顧客が満足できない状況を招くことを避けるためでもある。
②入会後:専任コンシェルジュによる活動サポート
入会すると、はじめにその会員がどのような価値観を持ち、どのような相手を希望しているのかを把握するため会員の婚活支援を担当するコンシェルジュが時間をかけて面談を行う。
その際、コーチングスキルを用いて会員がまだ明確にできていない相手への希望や理想像をより明確化することで、抽象的に相手探しをするのではなく、より具体的なマッチングに結び付けられるようにする。
従来のデータによるマッチングだけでなく、コンシェルジュという人間を通して相手を紹介することで同業他社との差別化を図り、結果的に、回り道をせず手間や時間をかけずに費用対効果の高いサービス提供へとつながっている。
さらに、活動を通して、専任のコンシェルジュがPDCAサイクルを用いて活動の軌道修正を支援するため、失敗があっても前向きに婚活に取り組んでもらうことができる。
加えて、コンタクトの感想や感触の確認、その後の交際期間中の悩みごとの相談、成婚(※)後のフォローまで、コンシェルジュが会員の気持ちに寄り添って、共に成婚実現に進んでいけるようにサポートする。
また、成婚後のフォロー期間も1年間に設定することで、成婚後であっても長期間フォローし、結婚までの道のりをサポートしている。
(※)成婚(退会)
交際中の相手との結婚を視野に入れて交際を継続する意向を双方から受けた上で退会すること。
③コンタクト(お見合い)の設定:専任のコンシェルジュ以外の活動サポート
活動が進むと、相手とのコンタクト(お見合い)を迎える。コンタクトの日時調整、場所の申し合わせなど、手間のかかる作業もシステムと専門チームがサポートするため、効率よく活動することができる。
コンタクト当日に道に迷ったり、相手を見つけられなかったりした場合なども、窓口スタッフが電話やメールでサポートを行い、出会いの機会を逃さないように支援している。
また、セカンドオピニオンとしてのアドバイスや助言のニーズに対応するために、サービスデスクを設置し、会員からの相談・要望に第三者からのアドバイスや助言を提供し、活動がより円滑に行えるためのサポート体制を構築している。
<サービスの料金体系>
| 登録料 | 入会申込に必要な手続きに要する費用 | 
| 初期費用 | 入会後、専任のコンシェルジュによるインタビュー、活動設計や推薦文の作成等の活動の準備に要する費用 | 
| 月会費 | 紹介や活動サポートに要する費用 | 
| 成婚料 | 成婚退会時に発生する成功報酬費用 | 
| その他 | イベント・セミナーへの参加、オプション商品・サービスの購入等、活動状況に応じた費用 | 
顧客が利用するコースに応じて毎月2~6人の相手紹介をしているが、これはサービス契約上の義務であって上限ではないので、会社の裁量によりそれ以上紹介を受けられることもある。
(付随サービス)
①会員向けイベント
コンシェルジュによる相手の紹介だけでなく、会員を対象に出会いの機会を提供するため、婚活パーティーなど各種イベントの企画・運営を行っている。
イベントスペースを自社店舗内に設けることで柔軟なパーティー開催が可能であることに加え、イベント会場の賃借費用が不要となっている。
②オプションサービス
・会員向けの写真撮影会を有料で提供している。婚活においては第一印象が重要視されるため、プロのカメラマン、メイクアップアーティストと提携し、自社店舗または提携先スタジオで写真撮影を行っている。婚活に特化しているため、適切な服装、表情など、経験に裏打ちされたアドバイスの提供も可能である。
・カラーコーディネート、ファッションアドバイザー、コミュニケーション力向上など、婚活に関連する予備知識や情報を有料セミナーによって提供している。
(2) ファスト婚活事業
「低価格で気軽に始めることができる婚活サービス」というコンセプトで展開している事業。

①「OTOCON(オトコン)」婚活パーティー
一般会員向けの婚活パーティーを「OTOCON」として企画・運営している。
一般会員向けではあるが、各種イベントを通じて同社に興味を持ち、会員になるケースも多く、入会の1つのチャネルとして機能している。
また、パートナーエージェント事業の会員向けイベントサービスと同様に、イベント専門のスタッフが自社店舗内のイベントスペースでイベントを企画・運営するため、社内設備の有効活用ができ、かつ入会チャネルとして機能しているため、ファスト婚活事業自体の収益だけでなく、他サービスとのシナジーも発揮している。
②アライアンスモデル婚活支援サービス
多くの顧客、会員組織を擁する企業とアライアンスを組み、それぞれのニーズに応じたサービスを設計し、提供していく婚活支援サービスを行っている。
オンライン婚活ならではの低価格を実現しつつ、会員様の希望条件や活動状況などを踏まえ、専任のコンシェルジュがお相手の紹介をはじめ「コンタクト(お見合い)」 「交際」「成婚」に至るまで、婚活のトータルサポートしている。
コネクトシップを利用することにより、マッチングの対象や出会いの機会を増やし、お相手を見つけて成婚に至る可能性の最大化を図っている。
(3) ソリューション事業
①会員相互紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」
婚活支援事業者間で自社会員の相互紹介を可能にするオープンプラットフォーム「CONNECT-ship」(以下、コネクトシップ)が2017年6月稼働を開始した。
(概要)
利用事業者と対象サービスは6社7サービスでスタートしたが、2019年3月時点で以下の8社12サービスとなっている。
| 
 事業者名  | 
 運営サービス名称  | 
| エン婚活エージェント株式会社 | エン婚活エージェント | 
| 株式会社シニアーライフ | MARRIX(マリックス) | 
| 一般社団法人日本結婚相談協会 | JBA(日本結婚相談協会) | 
| 株式会社日本仲人連盟 | NNR(日本仲人連盟) | 
| 株式会社リクルートゼクシィなび | ゼクシィ縁結びカウンター | 
| 株式会社 結婚情報センター | NOZZE(ノッツェ) | 
| 株式会社パートナーエージェント | パートナーエージェント
 OTOCON婚活コンシェル(旧 Yahoo! 婚活コンシェルプラン) エキサイト結婚相談所 powered by パートナーエージェント ichie(イチエ) OTOCON婚活コンシェル グローバルキッズ  | 
| 株式会社 全国仲人連合会 | 全国仲人連合会 | 
これら一定規模の事業者間において、最大5万人超の会員(各社の会員数合計)の相互紹介を通じて成婚率を高め、顧客成果、顧客満足度の向上を図る「コネクトシップ」は、婚活支援業界初の試みである。
会員相互紹介を実現するプラットフォームとしては、パートナーエージェントが開発し、運用保守を行う「コネクトシップ」サービスを使用し、「コネクトシップ」の運営事務局も同社が担う。
今後も顧客成果である成婚の最大化という想いを共有できる婚活支援事業者を利用事業者に加え、規模を拡大していく予定。利用事業者は、自社のサービス内容や運営について、事務局である同社を含めた他の利用事業者から干渉されることなく、自社の顧客に独自のサービスを提供することができる。
システムを提供・運用する同社は、利用事業者各社から受け取る会員同士のお見合い(コンタクト)が成立した場合のコンタクト成立料を収益源とする。
(狙い)
利用事業者が、営業面での競争のみならず、新しい枠組みの中で顧客成果である成婚を追求して切磋琢磨すること により、顧客満足度を高めて業界全体の発展を図るとともに、サービス品質に基づき健全な競争を行うよう業界に変革を促すことも、「コネクトシップ」を主導する同社の狙いである。
2019年4月の月初利用会員数は前年同期比36.9%増の26,868名。お見合い成立件数は318,842件。
②婚活パーティー情報サイトの運営
婚活支援サービスをもっとオープンに利用できる社会の実現を目指す一般社団法人結婚・婚活応援プロジェクトと協力・連携し、日本全国の法令を遵守し健全に運営を行っている婚活パーティーの情報を掲載する婚活パーティー情報サイト『Parties』(URL:https://parties.jp/)を2018年7月にリリースした。
同サービスは、パートナーエージェントと、一般社団法人結婚・婚活応援プロジェクトの運営実務を担当する株式会社ベクトルとの共同出資により、新たに設立したパートナーエージェントの連結子会社である株式会社ichie(イチエ)が運営している。
③事業会社及び地方自治体向けコンサルティング
婚活業界への参入を検討している事業会社や、住民に対する婚活支援活動を実施しようとしている自治体に対し、「parms」という同社が開発した結婚支援システムをASPで提供している。
「parms」は、婚活支援事業に必要な会員登録、会員管理、お相手とのマッチングなどの基本機能だけでなく、利用者(結婚を望む男女)の活動をサポートする機能や、事業運営側のスタッフの業務を効率化する機能等を網羅的に兼ね備えたシステム。運営主体の要望に応じたカスタマイズも可能となっている。
2019年3月期の企業向け婚活支援サービスのシステム開発・提供先は18年3月期の1社から3社に増加した。2019年2月からは保育士向け婚活支援サービスを提供している。
自治体向けの主な実績は以下の通り。
| 
 自治体  | 
 内容  | 
| 三重県 | 「結婚ポジティブキャンペーン」(結婚への前向きな機運醸成事業)における「夫婦・恋人の絆応援」プロジェクト事業の運営 | 
| 京都府 | 「きょうと婚活応援センター」事業の受託企業に対し、結婚支援システムを提供 | 
| 福島県 | 「ふくしま結婚・子育て応援センター」における結婚支援事業を包括的に受託 | 
(4) QOL(Quality Of Life)事業
パートナーエージェント事業によって顧客となった会員に対し、成婚退会後もその関係性を維持して人生の節目において各種サービスを提供し顧客満足度の充足・向上を図りつつ、収益機会の拡大を図る。
成婚退会した会員がメンバーとなる「アニバーサリークラブ」が主として以下のようなサービスを提供している。
| 結婚式場の紹介 | 
| 結婚式に関連するアイテムの販売 | 
| エンゲージリング・マリッジリングの販売 | 
| ライフステージの変化に合わせた保険契約の見直し | 
| 婚活またはそれ以外でも利用できる様々な割引サービスの提供(提携先との協業による) | 
結婚式場紹介に関しては、これまでは式場と直接提携し関東エリアの成婚会員への紹介が中心だったが、株式会社リクルートゼクシィなびが運営する「ゼクシィ相談カウンター」への紹介を開始した。これにより全国の成婚会員に式場紹介サービスの提供が可能となった。
また住宅に関してもこれまでは賃貸住宅の仲介サービスへの送客のみだったが、注文住宅の購入を検討している成婚会員向けに株式会社リクルート住まいカンパニーが運営する「スーモカウンター」への紹介を開始した。
また、資本業務提携を締結したグローバルグループの完全子会社であるグローバルキッズに2018年6月末付で保育事業の全部を譲渡した。
この他、2018年10月には、1.5次会などに活用できる貸切パーティー専用会場「IROGAMI」を銀座にオープンした。
【1-5 特長と強み】
「顧客成果の追求」の結果としての成婚率の高さ
同社を特長づける最大のポイントは、「成婚率」の高さである。
2019年3月期の成婚率は27.1%。

同業他社は明確な数字を開示していないものの平均10%と言われており、同社の成婚率の高さは断トツである。
在籍会員に対する一定期間における成婚退会会員数の割合を示す「成婚率」は、婚活会社の必要性を問われてしまう可能性もある諸刃の剣であるという意味で、婚活業界においては指標として明示すべきではないとの認識が主流であった。
これに対し佐藤社長は創業時より事業に対する想い、企業戦略として「顧客成果を高める」を掲げてきた。
顧客が同社に求めるものは「結婚」という成果であり、これを可能な限り高めることこそが自社の社会的な存在価値であるという考え方だ。
この目的を実現するために、採用、教育、育成、研修、ナレッジ共有、マネジメント、評価制度などあらゆる活動のベースを「顧客成果の追求」に置いている。こうした姿勢が、業界では群を抜いて高い「成婚率」に結びついている。
2.2019年3月期決算概要
(1) 連結業績概要
| 
 18/3期  | 
 構成比  | 
 19/3期  | 
 構成比  | 
 対前期比  | 
 対期初予想比  | 
|
| 
 売上高  | 
 4,102  | 
 100.0%  | 
 4,151  | 
 100.0%  | 
 +1.2%  | 
 -5.2%  | 
| 
 売上総利益  | 
 2,357  | 
 57.5%  | 
 2,372  | 
 57.2%  | 
 +0.6%  | 
 –  | 
| 
 販管費  | 
 2,162  | 
 52.7%  | 
 2,156  | 
 51.9%  | 
 -0.3%  | 
 –  | 
| 
 営業利益  | 
 195  | 
 4.8%  | 
 216  | 
 5.2%  | 
 +10.9%  | 
 -20.0%  | 
| 
 経常利益  | 
 325  | 
 7.9%  | 
 208  | 
 5.0%  | 
 -36.0%  | 
 -24.6%  | 
| 
 当期純利益  | 
 117  | 
 2.9%  | 
 90  | 
 2.2%  | 
 -23.2%  | 
 -50.4%  | 
*単位:百万円
増収・営業増益。予想に対しては下回る。
売上高は前期比1.2%増の41億51百万円。主力のパートナーエージェント事業は前期並み、ファスト婚活事業は堅調、ソリューション事業は保育士向け婚活支援サービスの開発等により2桁増収となった。
保育事業譲渡に伴い人件費が減少した一方、延期していた広告宣伝を計画通りに展開し販管費は前期並みで、営業利益は同10.9%増の2億16百万円。
前期にあった補助金収入がなかったことに加え、敷金償却費が発生したため経常利益は同36.0%減の2億8百万円。
婚活パーティーに係る計上方法の変更により貸倒引当金を20百万円繰り入れたことなどから当期純利益は同23.2%減の90百万円となった。
パートナーエージェント事業で第3四半期(10-12月)の新規入会者数が減少したことなどから、期初予想に対して売上、利益ともに下回った。
(2) セグメント別動向
| 
 18/3期  | 
 構成比  | 
 19/3期  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
|
| 
 売上高  | 
|||||
| 
 パートナーエージェント事業  | 
 3,011  | 
 73.4%  | 
 3,015  | 
 72.6%  | 
 +0.1%  | 
| 
 ファスト婚活事業  | 
 702  | 
 17.1%  | 
 732  | 
 17.6%  | 
 +4.3%  | 
| 
 ソリューション事業  | 
 320  | 
 7.8%  | 
 385  | 
 9.3%  | 
 +20.4%  | 
| 
 QOL事業  | 
 146  | 
 3.6%  | 
 175  | 
 4.2%  | 
 +20.0%  | 
| 
 その他  | 
 1  | 
 0.0%  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 調整額  | 
 -79  | 
 –  | 
 -157  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 合計  | 
 4,102  | 
 100.0%  | 
 4,151  | 
 100.0%  | 
 +1.2%  | 
| 
 セグメント利益  | 
|||||
| 
 パートナーエージェント事業  | 
 680  | 
 22.6%  | 
 613  | 
 20.3%  | 
 -9.9%  | 
| 
 ファスト婚活事業  | 
 73  | 
 10.5%  | 
 112  | 
 15.4%  | 
 +53.2%  | 
| 
 ソリューション事業  | 
 131  | 
 41.2%  | 
 165  | 
 43.0%  | 
 +25.7%  | 
| 
 QOL事業  | 
 -69  | 
 –  | 
 -10  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 その他  | 
 -3  | 
 –  | 
 -2  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 調整額  | 
 -618  | 
 –  | 
 -661  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 合計  | 
 195  | 
 4.8%  | 
 216  | 
 5.2%  | 
 +10.9%  | 
*単位:百万円。セグメント利益の構成比は売上高利益率。
(パートナーエージェント事業)
売上高はほぼ前年並み。減益。
2018年4月より新婚活サービスとして「チーム婚活×スマート婚活プログラム」を立ち上げるとともに、新たな顧客開拓に向け新商品の開発・投入準備を進めた。
新規入会会員数は外部環境の変化などから第3四半期(10-12月)に一時的に減少したが、第4四半期(1-3月)にはこれらの諸施策が奏功し、8四半期以来の2,100名超えとなり、前期の新規入会会員数は前年同程度の7,841名となった。
なお、2019年4月の月初在籍会員数は、特別コース(成果報酬型)の期間満了に伴う退会などが発生し、前年同期比1.8%減の11,485名となった。
*主要指標
| 
 18/3期  | 
 19/3期  | 
 増減率  | 
|
| 
 新規入会会員数  | 
 7,838  | 
 7,841  | 
 +0.0%  | 
| 
 1月月初在籍会員数  | 
 11,700  | 
 11,485  | 
 -1.8%  | 
| 
 成婚退会会員数  | 
 3,264  | 
 3,156  | 
 -3.3%  | 
| 
 成婚率  | 
 27.2%  | 
 27.1%  | 
 -0.1ポイント  | 
(ファスト婚活事業)
増収増益。利益率も改善。
婚活パーティーの運営最適化とサービス品質向上に向け、人気エリアに位置する自社3店舗(新宿店、心斎橋店、横浜店)の改装・増床を実施するとともに、その他店舗の開催数の適正化を進めた。その結果利益率は上昇した。
加えて、新たな顧客開拓に向けた施策として、エンタテインメント業界や飲食業界とのコラボレーション企画の開発に尽力した。これらにより、累計参加者数は前期比14.4%増の309,730名となった。なお、以前より注力しているパートナーエージェントサービスへの紹介も大幅に拡大し、累計送客数は595名となった。
*主要指標
| 
 18/3期  | 
 19/3期  | 
 増減率  | 
|
| 
 パーティー参加者数  | 
 270,663  | 
 309,730  | 
 +14.4%  | 
(ソリューション事業)
増収増益。利益率も改善。
コネクトシップの利用事業者は2019年3月期で8社12サービスとなった。
お見合い成立件数は318,842件、2019年4月の月初利用会員数は前期比36.9%増の26,868名となった。
また、企業向けサポートでは、婚活支援を行う企業3社(前期は1社)に対し婚活支援サービスのシステム開発・提供を行い、うち保育士向け婚活支援サービスは2019年2月より運用を開始した。
(QOL事業)
ウェディングサービスでは、『アニバーサリークラブ』ブランドにおけるサービス拡充、及びその提供エリアの拡大に努めた。なかでもブラダイルジュエリーの販売は、第3四半期よりパートナーエージェントの店舗を活用した拡販施策により、計画を大幅に上回る着地となった。また、従来の挙式披露宴に代わる新たな結婚式スタイルの拡大を見据え、2018年10月には1.5次会などに活用できる貸切パーティー専用会場をオープンした。
生活品質向上に資するサービスでは、成婚を機に保険の見直しを行う会員や、同社グループのウェディングサービスを活用する顧客に質の高い保険を提供するため『パートナーエージェント×保険クリニック2号店』の開設に向けた諸施策を進めた。この他、保育事業の譲渡に伴い、運営移管に関するコンサルティングも実施した。
(3) 財務状態とキャッシュ・フロー
◎主要BS
| 
 18/3月末  | 
 19/3月末  | 
 18/3月末  | 
 19/3月末  | 
||
| 
 流動資産  | 
 1,552  | 
 2,059  | 
 流動負債  | 
 1,076  | 
 1,132  | 
| 
 現預金  | 
 549  | 
 1,207  | 
 短期有利子負債  | 
 740  | 
 771  | 
| 
 売上債権  | 
 783  | 
 723  | 
 固定負債  | 
 866  | 
 1,271  | 
| 
 固定資産  | 
 1,241  | 
 1,322  | 
 長期有利子負債  | 
 733  | 
 1,135  | 
| 
 有形固定資産  | 
 403  | 
 328  | 
 負債合計  | 
 1,942  | 
 2,404  | 
| 
 無形固定資産  | 
 336  | 
 335  | 
 純資産  | 
 852  | 
 978  | 
| 
 投資その他の資産  | 
 501  | 
 658  | 
 株主資本合計  | 
 850  | 
 981  | 
| 
 資産合計  | 
 2,794  | 
 3,382  | 
 負債純資産合計  | 
 2,794  | 
 3,382  | 
*単位:百万円
現預金の増加に伴い、流動資産は前期末比5億7百万円増加し、20億59百万円となった。固定資産は投資有価証券の増加などで同80百万円増加し、13億22百万円となり、資産合計は同5億88百万円増加の33億82百万円となった。長期借入金の増加等で負債合計は同4億61百万円増加の24億4百万円。利益剰余金の増加などで純資産は同1億26百万円増加の9億78百万円となった。この結果、自己資本比率は前期末から1.4ポイント低下し、28.9%となった。
◎キャッシュ・フロー
| 
 18/3期  | 
 19/3期  | 
 増減  | 
|
| 
 営業CF  | 
 202  | 
 374  | 
 +172  | 
| 
 投資CF  | 
 -524  | 
 -180  | 
 +344  | 
| 
 フリーCF  | 
 -322  | 
 194  | 
 +517  | 
| 
 財務CF  | 
 374  | 
 464  | 
 +89  | 
| 
 現金同等物残高  | 
 549  | 
 1,207  | 
 +658  | 
*単位:百万円
フリーCFはプラスに転じた。キャッシュポジションも上昇した。
(4) トピックス
◎デーティングアプリ「dately」を事業譲受
2019年4月、株式会社 STRACTが開発し、運営するデーティングアプリ「dately(デートリー)」を事業譲受することとした。
(株式会社STRACT概要)
2017年7月設立。スマートフォン向けアプリの企画・制作・運営やIoTハードウェアの研究開発を手掛ける。
次世代型デーティングアプリ「dately」を開発。
(事業譲受の背景)
パートナーエージェントは、中長期的な成長に向けて、婚活領域の深耕と新規領域への参入を企図し、結婚相談事業の一部譲受、資本提携、株式会社メイションのグループ化等の各種施策を進めている。
こうした施策の一環として、今後拡大が見込まれるマッチングアプリ市場において、新たな開発手法をいち早く取り入れ、かつ、より多くのデートを実現している次世代型デーティングアプリ「dately」を事業譲受することとした。
今後は同社がこれまで培った知見やノウハウを融合し新しい婚活の形を創造する。
◎カジュアルウェディング業界において包括的業務提携を
2019年5月、子会社である株式会社メイションが、株式会社オーセモーション・プロダクツとの間で、カジュアルウェディング業界において包括的業務提携を行うことで合意した。
(株式会社オーセモーション・プロダクツ概要)
2005年11月の設立以来、結婚式の二次会や 1.5 次会などのパーティープロデュースを軸に事業を拡大。
中でも結婚式の二次会分野においては、パーティー会場と連携して顧客獲得する独自スキームを強みに、メイション同様に業界最多級(累計 30,000 組)のプロデュースを実現してきた。
(包括的業務提携の背景)
業界最多級の二次会施行とプロデュース実績を誇るメイションとオーセモーション・プロダクツは、今後拡大が見込まれるカジュアルウェディング業界を牽引すべく新たなパートナーシップ体制を構築し、提携会場や取引先の相互乗り入れや新規開拓、サービスの相互送客による顧客ニーズへの対応、映像制作の協業などを行うことについて合意した。パートナーエージェントも全面的に協力していく。
◎株主優待制度を拡充
今期より株式会社メイションをグループに迎え入れるに際し、株主に感謝の意を表するとともに、より一層同社グループへの理解を深めてほしいとの想いから、株主優待制度を拡充することとした。
従来の株主優待に加えて、株式会社メイションが提供するスマ婚・ 2次会くんで活用できる優待券と、株主様専用「パートナーエージェント・プレミアム優待倶楽部」で活用できる優待ポイントを新たに贈呈する。
毎年9月30日時点の株主名簿に記載または記録された同社株式1単元(100株)以上を保有する株主様が対象。
同社株主優待制度の詳細は、以下を参照。
https://www.p-a.co.jp/ir/stock/dividend.html
3.2020年3月期業績予想
(1)通期業績予想
| 
 19/3期  | 
 構成比  | 
 20/3期(予)  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
|
| 
 売上高  | 
 4,151  | 
 100.0%  | 
 9,100  | 
 100.0%  | 
 +119.2%  | 
| 
 営業利益  | 
 216  | 
 5.2%  | 
 230  | 
 2.5%  | 
 +6.3%  | 
| 
 経常利益  | 
 208  | 
 5.0%  | 
 170  | 
 1.9%  | 
 -18.4%  | 
| 
 当期純利益  | 
 90  | 
 2.2%  | 
 130  | 
 1.4%  | 
 +44.3%  | 
*単位:百万円。予想は会社側発表。
増収・営業増益。
売上高は前期比119.2%増の91億円の予想。株式会社メイションのグループ化に伴い、大幅に伸長する。
営業利益は同6.3%増の2億30百万円の予想。同社株式取得に係るのれん約70百万円及び無形資産償却約1億円の合計1億70百万円を見込んでいるため、営業利益は1桁増にとどまるが、実質収益力は約4億円。また翌期以降29年3月期まではのれん費用約70百万円のみ毎期計上する。
営業外費用でエン婚活エージェント社の先行投資(持分法投資損失)を見込んでおり経常利益は減益予想。
(2)今期の事業方針
婚活サービス領域、ウェディングサービス領域それぞれ以下のような取り組みを進める。
①婚活サービス領域
婚活サービスを全方位で活性化させる。
具体的には、パートナーエージェント事業においては、付加価値の高い結婚相談所分野に位置するパートナーエージェントブランドについて高品質化を推進し、さらなる顧客成果の実現を目指す。
エントリー型の結婚相談所、婚活パーティー、マッチングアプリについては、新たにエントリーサービスと位置付け、一気通貫したマーケティング施策を展開する。
その他、コネクトシップの運営や、成婚後の生活品質向上に資するサービスについては、営業体制を強化し、利用者の拡大を図る。

結婚相談所部門は各指標とも前期を上回り、回復へ向かうと予想している。

婚活パーティー分野は前期に続き運営最適化を図るため開催数を絞り込むため、参加者数自体は減少を見込んでいる。
エンタテインメント業界(JRAなど)や飲食業界とのコラボレーション企画の実施を予定している。
②ウェディングサービス領域
近年拡大傾向にあるカジュアルウェディング(適正価格の挙式披露宴や会費制・会員制・フォトウェディングなど)に対し、「スマ婚」や「2次会くん」を軸に商品ラインアップを拡充し、多様な顧客ニーズに応える。
また、婚活サービス領域とのシナジー効果を発揮するとともに、ウェディング業界の有力企業であるオーセモーション社との相互送客など連携を強化し、受注案件の拡大に努める。

③経営領域
経営体制の強化、再編を含めたグループ資源の最適化を進める。
2019年3月には、より最適な組織体制とし、更なる事業成長を実現することを目的として組織変更、取締役の管掌変更、執行役員の選任を行った。
佐藤社長は、代表取締役社長から、代表取締役社長兼婚活事業本部長へ。これまで以上にリーダーシップを発揮して成長を追求する。
(3)公表済み施策の進捗状況
同社では2019年1月を皮切りにM&A/業務提携などを活発に推進しているが、現在の進捗状況は以下のとおりである。
①婚活サービス領域
*シニア-ライフ社
マリックス大阪・名古屋・福岡を事業譲受し、2019年4月より顧客移行を開始している。
*STRACT社
マッチングアプリを事業譲受した。今期中にリニューアル予定である。
②ウェディングサービス領域
*メイション社
2019年4月にグループ化したが、シナジー効果などで受注案件は増加している。
*オーセモーション社
新たなパートナーシップ体制を構築し、カジュアル・2次会で相互送客を行っていく。
③経営領域
*エン婚活エージェント社
2019年4月に持分法適用関連会社となった。今期は先行投資(広告活性化)フェーズである。
4.今後の注目点
19年3月期は小幅ながらも8期連続増収で、営業利益は3期ぶりに増益となった。パートナーエージェント事業の新規入会者数は8四半期ぶりに2,100名に到達し、今期は年間ベースでも4期ぶりの増加を見込むなど、底入れ・回復を会社側は見込んでいる。競争も激しくなっている中、回復のモメンタムがどの程度のものなのかを注目したい。また同時に、前期から積極的に取り組んでいるM&Aやアライアンス戦略によりどれだけのシナジー効果や付加価値を生み出すことができるのかにも期待したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
| 組織形態 | 監査役会設置会社 | 
| 取締役 | 5名、うち社外2名 | 
| 監査役 | 3名、うち社外2名 | 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年6月26日
<実施しない主な原則とその理由>
マザーズ上場企業として「当社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則について、全て実施いたします。」と記している。



