メキシコの金融政策:金利据え置き(2019年6月)インフレ期待高く、高水準の金利がペソを支える
メキシコの金融政策:金利据え置き(2019年6月)
市場の予想通り
■メキシコ銀行(中央銀行、以下、メキシコ中銀)は、6月27日の金融政策決定会合で、政策金利を8.25%に据え置くことを決定しました。据え置きは4会合連続で市場の予想通りでした。1名が0.25%の利下げに投票しました。
景気減速が懸念される
■声明では、米国による通商問題が解決しておらず先行き不透明感が強い中で、中長期のインフレ見通しは依然として高水準にあるため、政策金利を据え置くと述べています。金利据え置きは市場予想通りだったため、メキシコペソは小動きとなっています。
■メキシコのインフレ率は、4月、5月は前年同月比4%台でしたが、6月前半には前年同期比+4.0%と、メキシコ中銀の目標範囲(3%±1%)の上限付近で推移しています。一方で、1-3月期実質GDP成長率は前年比+1.2%、前期比▲0.2%となり、国内経済の減速が懸念されています。
【今後の展開】利下げ観測が重石も、高水準の金利がペソを支える
■米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の金融緩和姿勢を背景に、市場の一部では、メキシコ中銀が年内に利下げを行うとの見方が出ています。また、米国との不法移民問題や通商問題などの影響もあり景気減速が明らかになれば、利下げを支持する声がさらに高まるとみられます。この場合は利下げ観測がメキシコペソ相場の重石になると思われます。
■一方で、世界的な金利低下環境において利回りを求める動きから、メキシコの相対的な金利の高さが注目され、メキシコペソの支えになるとみられます。
(2019年6月28日)
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