ズーム<6694> 減価償却方法変更や製品価格引上げ等により、19年12月期は大幅増益を見込む

2019/05/09

音楽用電子機器のグローバルニッチプレーヤー
減価償却方法変更や製品価格引上げ等により、19年12月期は大幅増益を見込む

業種: 電気機器
アナリスト: 大間知 淳

◆ 音楽用電子機器のグローバルニッチプレーヤー
・ズーム(以下、同社)は、プロからアマチュアまでの幅広い顧客層を対象に開発した音楽用ICレコーダー等の音楽用電子機器を約130カ国で販売する独立系のグローバルニッチプレーヤーである。
・日本の本社は開発と国内外のマーケティング支援に特化している。海外販売は、イタリア、米国、英国の関係会社や、各地の販売代理店を通じて行っており、18/12期の海外売上高比率は90.8%に達している。

◆ 18年12月期決算は22%増収、21%営業減益、5%経常減益
・18/12期決算は、22.3%増収、20.5%営業減益4.5%経常減益であった。下期から連結したイタリアの販売代理店の貢献により、大幅増収となったものの、円高等による売上総利益率の低下に、研究開発費等の増加が加わり、大幅な営業減益となった。

◆ 19年12月期の会社計画は11%増収、137%営業増益
・19/12期について同社は、イタリア子会社の通期寄与と、減価償却方法の定額法への変更等を踏まえて、10.8%増収、136.6%営業増益、94.4%経常増益を予想している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、減価償却方法の変更や、製品価格の引上げ効果等を中心に19/12期の業績予想を見直し、売上高を8,170百万円→8,563百万円(前期比11.1%増)、営業利益を240百万円→618百万円(同137.5%増)、経常利益を336百万円→678百万円(同95.9%増)に増額した。

◆ 新製品の貢献等を見込み、中期的にも業績の伸長を予想する
・20/12期以降についても、新製品の貢献等を見込み、同社の業績は着実に伸長すると当センターは予想している。
・中国からの輸入品に対する米国の制裁関税が同社製品の一部に適用されているため、米中交渉の動向には引き続き注意が必要である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。