円安で食料品値上げはすぐに来る?
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◆円安は円建ての輸入物価を押し上げる
今年に入り、為替の円安・米ドル高傾向が一段と強まりました。これは1月23日召集の通常国会の冒頭での衆議院解散を巡る報道を受けた動きで、一時、2024年7月以来の159円台半ばまで円安が進みました。円安は円建ての輸入価格を上昇させるため【図1】、円安が進むと、輸入物価の上昇を通じた消費者物価への影響に対する関心が高まります。特に、日々の生活に直結する食料品価格などへの影響は、誰もが気になるところでしょう。
◆消費者物価への波及には時間
輸入品価格のうち消費者物価に最も直接的に影響するのは、最終財(消費者に消費されるモノ)です。日銀の「最終需要・中間需要物価指数」の構成品目を見ると、衣料品や携帯電話機のほか、乗用車などがこれに含まれます。
一方、輸入品の多くを占める中間需要財(生産過程で投入されるモノ)の輸入価格は、製造工程を通じて徐々に波及していくため、消費者物価に至るまでには一定の期間を要します。食料品関連も、実は多くが中間需要財であり、直接的な消費者物価への影響は必ずしも大きくありません。品目別ではバラツキはありますが、輸入物価指数(日銀)の「飲食料品・食料用農水産物」と消費者物価指数(総務省)の「食料」(生鮮食品、米類を除く)の連動性を見ると、輸入物価の「飲食料品・食料用農水産物」の動きが消費者物価に波及するまでには1年程度かかることがわかります【図2】。
◆価格急騰の懸念は小さいが、根強い物価上昇圧力も
これを踏まえると、足元の円安進行の食料品価格への影響は、直ちには実感しにくいかも知れません。さらに、2月に予定されている衆議院選挙では、与野党ともに食料品にかかる消費税減税を公約に掲げていることから、今後、検討が進む可能性が高まりました。これが実現すれば、食料品価格の上昇は一部相殺されることになります。
もっとも、円安進行の背景には、減税や補助金など積極的な財政運営方針を受けた財政悪化懸念の高まりがあります。こうした懸念が燻り続けるもとでは、輸入物価を通じた根強い物価上昇圧力がある点には注意が必要でしょう。
足元の円安による食料品価格高騰について、過度な懸念は不要でしょう。
一方、より安定的な物価動向の実現には、財政悪化懸念の払しょくも重要です。
(シニアエコノミスト 藤本 啓)
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