米ハイテク株、ここからが正念場?
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◆米ハイテク株、7月に高値をつけた以降、値動きの荒い展開だが
米国株を牽引してきたハイテク株が不安定な動きとなっています。米S&P500指数の業種別騰落率では、年初来トップだった「IT(情報技術)」が9月6日時点で、一時「公益」(電気、ガスなど)に追い抜かれました。S&P500が最高値をつけた7/16から9/6まででは、「IT」のほかハイテク株比率が高い「通信」が大幅に下落した一方、金利低下が追い風となる「公益」、「不動産」、景気動向の影響を受けにくい「生活必需品」、「ヘルスケア」の上昇が目立ちます。
米国市場は昨年来、「生成AI市場の成長期待」と「米経済の軟着陸(ソフトランディング)観測」を両輪に上昇してきました。しかし夏場の四半期決算発表で、マイクロソフトやアルファベットなど大手ハイテク企業の巨額AI投資について、期待ほど早くは収益回収が進まないとの懸念が台頭しました。AI需要の恩恵を一手に受けてきたエヌビディアの決算は、売上高が前年比2.2倍、純利益は2.7倍となったものの、AI投資のピークが近いとの警戒から株価は一進一退で推移しています。市場では10月下旬~11月初旬の次回決算発表で大手ハイテク企業が市場の懸念を払拭するだけの実績、見通しを示せるのか、注目が高まっています。
◆米国株の先行きは、軟着陸の実現次第か?
「米経済の軟着陸」の行方も重要です。そもそも「軟着陸」論は、「景気は底堅さを維持、金利は低下」という都合の良いシナリオです。実現すればハイテクだけでなく、景気敏感業種にも追い風となりそうです。一方、「景気後退(ハードランディング)」となるとハイテク株にも逆風となります。その場合、大幅利下げ(金利低下)でハイテク株価の割高感が薄れるものの、景気が悪化すればEVやスマホ、PCの販売が低迷し、部材の半導体需要も減少するほか、AIを始め、企業のIT投資が伸び悩むなど、業績悪化懸念が重荷となります。
9月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げは未だ見方が分かれています。0.25%だと景気下支えには不十分な印象がある一方、0.5%だと「既に景気悪化が進んでいる」との疑念も出そうです。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の会見や参加者の見通しを通じて、市場の「軟着陸」期待がうまく維持されるのか、注目されそうです。
9月第2週は米ハイテク株が予想外の反発となりました。今後は、9月FOMC、10月の四半期決算、11月の米大統領選挙と注目イベントを控え、再び高値を更新できるか正念場を迎えそうです。
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