大統領選以上に注目される、米議会選挙の行方

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◆トランプ氏? ハリス氏? 大統領選挙の行方ばかりに目が向くものの・・・

さて、11月5日の米大統領選挙まで残り2カ月余りとなりました。7月の銃撃事件で一時「確トラ」とみられたものの、バイデン大統領の選挙戦撤退、ハリス副大統領の正式指名を経て、足元では勝敗の鍵を握る「激戦州」でもハリス氏優勢との見方が強まってきました。このまま「ハリスの旋風(かぜ)」が吹くのでしょうか?ハリス氏は現副大統領としての実績や評価が乏しく、一説では「このままだとハリスが大統領になるが、それで良いのか!」と、与党・民主党上層部はバイデン氏支持を訴え続けていたようです。バイデンvsトランプは「ダブル・ヘイター(=二人の嫌われ者)」の戦いとされていたため、その反動から、ハリス氏でも当初の支持が高いことは想定内かもしれません。9月の候補者討論会では、「刑事被告人」のトランプ氏に対して、「元検察官」のハリス氏が優勢となりそうな印象ですが、選挙戦はまだまだ波乱が起こりそうです。

金融市場への影響の大小は、大統領選と共に議会選挙の結果が鍵となります財政支出を伴う政策の遂行には、①大統領、②上院での多数、③下院での多数の3つを確保する必要があるからです。上下院で多数政党が分かれる(=日本では、「ねじれ国会」)場合、政策面での選択肢は限られます。

◆選挙結果の組み合わせによる市場への影響は?

当初の株式市場の反応を予想すると、トランプ氏勝利、共和党の上下院多数がベストとみられます。逆に民主党一色となると法人税引き上げ(21%⇒28%)、富裕層増税、薬価引き下げ、食品の値上げ制限といった政策が嫌気されそうです。一方、ハリス氏勝利で議会がねじれる場合は概ね現状と同じです。その場合、投票日へ向けて株式市場が上昇していれば利益確定売り、下落傾向であれば買い戻しが強まりそうです。トランプ氏勝利で議会がねじれた場合はどうでしょうか?同氏が主張する大型減税の継続が難しくなることに加え、議会の承認を経ずに実施できる関税の引き上げや移民対策の強化、対外政策などに注力しそうなことから、株式市場はややネガティブな反応をしそうです。

下図は、米与野党の支持率推移です。大統領選挙同様、こちらも州ごとに跛行色(ちぐはぐな状態)が強く、議会選挙の行方は蓋を開けるまでわからない状況が続くとみられます。

ハリス氏優勢との報道が多く見られます。しかし、高インフレや不法移民の増加などバイデン政権に対する米国民の不満は大きく、民主党の両議会での勝利は簡単ではなさそうです。

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