米国主要株式指数は年初来安値を更新 S&P500種指数は割安水準へ

 

 

米国主要株式指数は年初来安値を更新 S&P500種指数は割安水準へ

【ポイント1】米国株式は再び調整

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■米国株式市場の下落が目立っています。先週金曜日(14日)から昨日(20日)までの5日間で、S&P500種指数、NYダウ平均株価、ナスダック総合指数は軒並み7%前後の下落を記録しました。米国株式市場は、10月以降軟調に推移してきましたが、ここにきて下げ足を速めました。この下げにより、主要株価指数は年初来安値を更新し、17年の夏から秋にかけての水準に下落しています。

 

【ポイント2】下落要因は世界景気の減速懸念

金融政策への失望も加わる20181221us2

■10月の株価調整の主因は米中貿易摩擦による企業業績の悪化や景気減速の懸念でした。足元の下落は、米国や主要国の景気減速懸念と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する失望です。景気については、米国では住宅市場の鈍化傾向が示され、欧州や中国経済も市場の見込みを下回る経済指標が発表されています。これらを受けて、株式市場はやや軟調に推移していました。

■さらに、FRB高官が利上げのペースダウンを示唆する発言を行っていたことや株式市場等の調整が既に始まっていたこと等から、市場はFRBが金融引き締めに慎重になると見込んでいました。しかし、12月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げが決定され、今後も緩やかな利上げが行われること等が示されたことで、期待が失望に変わる形となりました。

【今後の展開】景気は減速だが後退には至らない、市場は悲観が妥当かを見直すことに

■今後、米国経済は減税や財政支出の効果が徐々に弱まるほか、米中貿易摩擦の影響もあり、経済成長率は緩やかに低下する見込みですが、景気後退の可能性は低いと見られます。失望とされた金融政策ですが、FRBは先々の利上げは僅かとの考えを示しました。拡大が続く経済と落ち着いたインフレの中では妥当な判断と解釈することもできます。S&P500種指数の株価収益率は14倍程度と2014年以降で最も低い水準まで低下しており、割安感が台頭しています。先々の不安が行き過ぎた悲観につながっている可能性もあります。市場はその悲観が妥当かを見直すことになると思われます。

(2018年12月21日)

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