運用者の視点:『港珠澳大橋』が開通

運用者の視点:『港珠澳大橋』が開通

「マーケット・キーワード」では、弊社のアジア株式運用者が運用業務を通して気付いたり、見出したことを“運用者の視点”として定期的にお届けしています。急速かつダイナミックに変革が進む、中国・アジア地域の経済やマーケットの“今”を、独自の視点でお伝えできれば幸いです。今回は、今年10月に開通した、香港とマカオ、珠海市をつなぐ、世界最長の海上橋『港珠澳大橋』についてです。

【ポイント1】香港とマカオ、珠海市をつなぐ世界最長の海上橋

■今年9月に香港と中国広東省の広州市を結ぶ「広深港高速鉄道」が開通したのに続き、10月には香港とマカオ、珠海市をつなぐ、世界最長の海上橋『港珠澳大橋』が開通しました。その開通式典には習近平国家主席が出席しており、中国にとっていかに重要なプロジェクトであるかがわかります。『港珠澳大橋』という交通インフラの新たな柱を得て、都市間の連携を深めて産業の集積と高度化を進め、東京やニューヨークなどに匹敵する経済圏として発展させることを目的とする、「グレーターベイエリア構想」は、大きく前進することになります。

【ポイント2】香港ー珠海市は約45分に

香港ーマカオは約30分に

■『港珠澳大橋』は、海底トンネル部分と橋梁、人工島などからなる全長55㎞のプロジェクトです。2009年に着工し、約10年の歳月と総工費1,000億元(約1兆6,000億円)超をかけて完成しました。

■この開通により、これまで陸路で約4時間かかっていた香港と珠海市の移動は、一気に45分程度に短縮されました。また、香港とマカオの移動は、従来のフェリーで約1時間に対して、約30分で自動車で行き来することが可能になりました。

 

181120MK
 

【今後の展開】橋の開通で珠海市が飛躍的発展も

■『港珠澳大橋』の開通を最も待ち望んでいたのは、世界有数のカジノを持つマカオだと言われてきました。しかし、もう少し長い目でみると、この開通によってグレーターベイエリアの東側の大都市と短時間でつながる珠海市が受ける恩恵もマカオと同等かそれ以上に大きいのではないかと感じられます。

■グレーターベイエリアの中では、香港から近い深セン市が中国のイノベーションセンターとして存在感を高めてきたのに対し、珠海市は出遅れ気味でした。しかし、珠海市では近年ハイテク企業の集積が急速に進んでいます。次の深センはどこか。その答えを考えた時、珠海市は有力候補として一気に台頭してくる可能性があるとみています。

(2018年11月20日)

印刷用PDFはこちら↓

運用者の視点:『港珠澳大橋』が開通

関連マーケットレポート

2018年11月19日 中国の『住宅価格』は上昇続く

2018年10月24日 運用者の視点:『広深港高速鉄道』が開通

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会