日印、共同で『AI』開発に乗り出す

日印、共同で『AI』開発に乗り出す

インドのモディ首相と安倍首相は、10月29日に会談し、デジタル分野で「日印デジタル・パートナーシップ協定」を結ぶ方針で一致しました。『人工知能(AI)』技術の共同研究に乗り出すほか、スタートアップ企業への投資等を進める方針です。インドは日本の資本や技術を呼び込み、日本はインドのソフトパワーや人材を呼び込むことで相互に国際競争力を高めることを目指します。

【ポイント1】インドと日本が『AI』の分野で手を組む

新機軸となる「日印デジタル・パートナーシップ協定」

■10月28日~29日、インドのモディ首相が来日し、安倍首相と首脳会談が行われました。今後さらにインドと日本の経済協力が強固なものとなる可能性が高まる中、今回打ち出された新機軸が「日印デジタル・パートナーシップ協定」です。「日印デジタル・パートナーシップ」では、IoT・『AI』ソリューションの構築及び新興技術分野での協働を目指す、とされました。これによって、インドの旗艦政策である「デジタルインド計画」、「スタートアップインド」、「スマートシティ」と日本の「Society5.0」とが融合し、社会的利益を向上させる、とされました。

■「デジタルインド計画」は2014年のモディ政権誕生から進められている政策で、行政手続きの簡素化やインフラの整備が進められています。「スタートアップインド」は2016年に導入された政策で、インドを世界のイノベーションハブに発展させることを目標に、手続きの簡素化、資金調達の支援などが行われています。2017年には1,000社のスタートアップ企業が生まれ、企業数は累計で5,500社に達しました。「スマートシティ」では2022年までに100の「スマートシティ」を作る計画が進んでいます。

【ポイント2】インドのソフトパワーと日本の資本・技術の融合

13億人のビッグデータは魅力的

■モディ政権が進める政策はインドの経済構造を大きく変革させるもので、『AI』やITといった最新技術の活用が不可欠です。インドはフィンテックやeコマースといったソフト分野が急成長しています。優秀な人材が多いのですが、市場が巨大なため資本が不足しています。一方、日本には資本や研究開発に適したインフラ、技術が整っています。日本にとっても人口ボーナスが期待できる13億人のビッグデータは魅力的です。 

181109MK

【今後の展開】スタートアップ企業への投資が増加する見通し

■デジタル技術の研究開発のため、日本国内最大級の公的研究機関である産業技術研究所とインド工科大学ハイデラバード校とが、ロボティクス分野などの『AI』技術の共同研究・協業を開始することが見込まれています。また、両国はステークホルダーの参加を得て、インドにおけるスタートアップ企業に投資するためのファンドの創設を奨励・支援する、としました。今後インドの『AI』やデジタル分野への投資が活発化することが期待されます。

(2018年11月 9日)

印刷用PDFはこちら↓

日印、共同で『AI』開発に乗り出す

関連マーケットレポート

2018年10月17日 モディ首相の続投なるか?!インド『総選挙』を予習

2018年 6月27日 成長戦略で注目の『Society5.0』って何?

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会