揺れる豪金融業界と王立委員会の『中間報告』

2018/10/29

揺れる豪金融業界と王立委員会の『中間報告』

豪州では、近年、金利の不正操作や、反資金洗浄(マネーロンダリング)法違反、監督官庁への虚偽報告といった銀行業界の不正が相次ぎました。これを受け、政府は2017年12月に王立委員会を設立し、銀行の不正に対する本格的な調査に乗り出しました。王立委員会は、銀行貸出や金融、保険、年金など様々な公聴会を経て、2018年9月28日に、『中間報告』を公表しました。

【ポイント1】王立委員会が銀行業界の不正に関する『中間報告』を公表

不正の背景は「貪欲さ」

■今回の『中間報告』は、不正行為の背景には「貪欲さ」、つまり「金融機関による、公正さの基本原則を犠牲にした短期的な利益追求」があったと指摘しました。

■規制当局に対しても、不正行為への追及の甘さを批判しました。不正行為が発覚しても、謝罪や改善計画の提出等で済まされることが多く、当該銀行が監督機関から弾劾されたり、処罰が下されることはほとんどなかった模様です。

【ポイント2】金融機関の自助努力で、状況は改善しつつある

監督機関は不正監視を強化

■金融機関は、調査の進行とともに、問題のあった商品や慣行の是正・廃止、事業部門の売却といった改善措置や、規制の厳格な適用等に努めてきました。

■一方、監督機関についても、不正監視の強化を進めています。これらを踏まえ、報告書は、「業界の構造や報酬体系に変化が見られる」と、一定の評価を下しています。

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【今後の展開】新法制定による規制強化には反対

■『中間報告』は、「豪州には、金融機関に公平、公正、効率的にサービスを提供するために必要なことを全て行うよう義務付けた法律が存在する。新たな法律を制定することは、既に複雑な規制体系が一段と複雑さを増すだけ」と述べ、新たな法律の制定による規制の強化には否定的な姿勢を示しています。

■王立委員会が『中間報告』を公表した9月28日の豪州市場では、銀行株が市場を上回る上昇となりましたが、その後のパフォーマンスは市場を下回っています。豪州の銀行が投資家の信頼を完全に取り戻せるか否かは、2019年2月までに纏められる予定の「最終報告」の内容等にかかっていると見られます。

(2018年10月29日)

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