ブラジルの金融政策は現状維持(2018年9月)政策金利を4会合連続で据え置き

ブラジルの金融政策は現状維持(2018年9月)政策金利を4会合連続で据え置き

【ポイント1】6.50%に据え置き
市場の予想通り

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、9月19日の金融政策委員会で、政策金利を6.50%で据え置くことを全会一致で決定しました。政策金利据え置きは4会合連続で市場の予想通りでした。

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【ポイント2】物価は適切な水準
インフレ悪化なら緩和解除も

■通貨レアル安が続くなかでも、8月の消費者物価は前年同月比+4.19%と、前月からやや低下しました。中銀の物価目標レンジの中心近辺にあり、中銀は声明文で、足元のインフレ率は適切な水準にあるとしました。物価見通しは金利・為替を一定とした場合、2018年が+4.4%、2019年は+4.5%と予想しています。

■ただし、中銀は、リスクは通貨安や財政改革の遅れなどインフレ率のアップサイドにより多くあると判断しており、今後、金融政策運営の対象期間のインフレ見通しやそのリスクバランスが悪化した場合には、現在の景気刺激的な金融緩和政策を徐々に解除すると述べました。また、次回の金融政策のガイダンスを示しませんでした。

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【今後の展開】レアルは上値の重い展開

■中銀は当面金融政策を維持するとみています。今回の金利据え置きを受けて、通貨レアルは小動きでしたが、依然対米ドルで最安値圏にあります。トルコリラやアルゼンチンペソの大幅下落の影響で新興国通貨全般が下落した他、10月に控える大統領選挙への不透明感が資金流出を招き、軟調な展開が続いています。

■大統領選挙については、直近の世論調査で首位に立つ極右のボルソナロ氏は、財政規律を重視する姿勢とされる一方、積極財政を掲げる左派系の候補者が追う展開となっています。ただ、極右のボルソナロ氏は、10月下旬の決選投票では勝つ見込みが低いとみられており、ブラジル経済立て直しへの期待が高まり難い状況です。引き続き政治的な不透明感が残るため、レアルは上値の重い展開が続きそうです。

(2018年 9月20日)

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