投資鈍化が続く中国経済(2018年9月)政策対応で景気減速ペースは緩やかなものに

投資鈍化が続く中国経済(2018年9月)政策対応で景気減速ペースは緩やかなものに

【ポイント1】固定資産投資は更に鈍化
インフラ投資の減速が続く

■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~8月の固定資産投資は前年同期比+5.3%と市場予想(ブルームバーグ集計、同+5.6%)を下回り、1~7月(同+5.5%)から伸び率が更に縮小しました。

■内訳をみると、インフラ投資が同+4.2%となり、1~7月(同+5.7%)から一段と減速しました。一方、不動産開発投資は同+10.1%と1~7月に引き続き+10%の伸びを維持しました。

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【ポイント2】鉱工業生産はやや加速
小売売上高もやや加速

■8月の鉱工業生産は前年同月比+6.1%と市場予想通りで、7月(同+6.0%)から伸び率がわずかに拡大しました。コンピューター、通信その他電子機器が同+17.1%となるなど、IT関連の生産は引き続き高い伸びが続いています。

■8月の小売売上高は前年同月比+9.0%と市場予想の同+8.8%を上回り、7月(同+8.8%)から伸び率が小幅に拡大しました。自動車販売が低迷しましたが、日用品が伸びました。

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【今後の展開】政策対応で景気減速ペースは緩やかなものに

■貿易摩擦を巡る交渉においては、中国政府は米国の挑発に乗ることなく、ハイテク・知的財産問題では安易な妥協を行わないと思われます。このため、米中の貿易摩擦は長期化するとみられます。

■米国との貿易摩擦の拡大に備え、中国共産党は7月31日の中央政治局会議で、「積極的な財政政策」と「穏健な金融政策」により、景気安定を優先する姿勢を明らかにしました。今後地方の開発案件の前倒しなどによりインフラ投資は持ち直し、事実上の金融緩和により不動産投資は堅調さを維持すると考えられます。政府の景気配慮型の政策対応により景気減速ペースは緩やかなものになるとみられます。

(2018年 9月14日)

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