トルコの金融政策(2018年9月)6.25%の利上げ、トルコリラは一先ず落ち着く
トルコの金融政策(2018年9月)
【ポイント1】6.25%の利上げ
利上げ幅は市場予想を上回る
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は13日の金融政策決定会合で、主要な政策金利である1週間レポ金利を6.25%引き上げ24.00%とすることを決定しました。市場(ブルームバーグ集計)の3.25%の利上げ予想を大幅に上回る結果となりました。
■その他の政策金利も後期流動性貸出金利が20.75%から27.00%、翌日物貸出金利が19.25%から24.00%、翌日物借入金利が16.25%から22.50%と大幅に引き上げられました。
【ポイント2】インフレを警戒
金融引き締め姿勢を維持
■中銀は声明文で、「今後も物価安定目標に向けてあらゆる手段を活用する。インフレ期待、価格設定動向、これまでの金融引き締め政策の効果、財政政策の寄与、その他のインフレ率に影響を与える要因を注視する」としました。中銀は必要であれば更なる金融引き締めを行うとしています。
■今回の利上げが市場予想を上回ったのは、中銀が直近のトルコリラの暴落を受け、物価の安定に対して重大なリスクを認識し、対応していく意思を市場に伝える意図があったと考えられます。
【今後の展開】トルコリラは対米関係を含めた政治情勢に注視が必要
■7月下旬以降トルコリラ相場は対ドルで大幅に下落しました。トルコリラの暴落の背景として、(1)極めて高いインフレ率と大きな経常赤字、(2)エルドアン大統領の強権的な政策運営、(3)対米関係の悪化、などが指摘されています。こうした中、中銀が市場予想を上回る利上げに踏み切ったことで、トルコリラは一先ず落ち着きました。しかし、エルドアン大統領の言動を見る限り、今回の利上げに対しても不信感を抱いている印象があり、また、対米関係も改善の兆しは見られません。政治情勢を引き続き注視する必要がありそうです。
(2018年 9月14日)
印刷用PDFはこちら↓
トルコの金融政策(2018年9月)6.25%の利上げ、トルコリラは一先ず落ち着く
関連マーケットレポート
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会