概ね良好な内容となった米国の雇用統計(2018年8月)失業率は横ばい、雇用者数、賃金は緩やかに増加
概ね良好な内容となった米国の雇用統計(2018年8月)
【ポイント1】雇用者数は20.1万人増
雇用は概ね良好
■2018年8月の非農業部門雇用者数は、前月比20.1万人の増加でした。ブルームバーグ集計による市場予想の同19万人増を上回りました。ただ、過去2カ月の雇用者数が合計で5万人ほど下方修正されたことを踏まえると予想よりもやや弱めの結果となりました。
■こうした月毎の振れを均すため3カ月移動平均をとると、8月は同18.5万人増となりました。基調的には同19万人増ほどで推移していることから、雇用情勢は概ね良好と言えそうです。
【ポイント2】失業率は横ばい
賃金はやや大きめに改善
■失業率は3.9%と前月比横ばいでした。一方でパートタイマーの減少などを背景に、広義の失業率(*)は7.5%から7.4%に改善しました。(*)失業者に正社員になりたいがパートタイムで就業している人等を含めて計算される失業率。
■一方、賃金は前月比0.4%増でした。前年同月比では+2.9%と7月の同+2.7%からやや大きめの改善となりました。失業率の低水準が示す通り労働需給は引き締まっています。今後も賃金は、増加を続ける見込みです。
【今後の展開】米連邦準備制度理事会(FRB)は今月3回目の追加利上げへ
■9月7日の米国債券市場では、8月の雇用者数の増加や平均時給の伸びが市場予想を上回ったこと等から、債券利回りが上昇(債券価格は下落)しました。一方、株式市場では、同月の雇用統計を明るい内容と受け止めましたが、トランプ大統領が中国からの輸入品すべてに関税を賦課する用意があると警告したことを受け、下落しました。
■米景気・雇用の拡大を受け、FRBは継続的に政策金利を引き上げていくと予想されます。利上げの着地点は景気を刺激も抑制もしない金利水準(中立金利)とみなされる3%が、一つの目処と考えられます。FRBは、この3%に向けて今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3回目の追加利上げを実施すると予想されます。
(2018年 9月10日)
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