インドの経済・市場動向(2018年9月前半)4-6月期GDPは+8.2%成長、先行きはやや鈍化も高成長続く

インドの経済・市場動向(2018年9月前半)

 

20180903as1

 

【ポイント1】4-6月期実質GDPは+8.2%成長
内需がけん引

■インド統計局が8月31日に発表した、2018年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+8.2%と、市場予想(ブルームバーグ集計、同+7.6%)を上回り、1-3月期の同+7.7%から加速しました。2016年1-3月期以来の高い伸びとなり、主要国の中で最も高い経済成長が続いています。

■実質GDPの内訳をみると、内需(消費、投資)が成長をけん引しました。GDPの5割超を占める民間消費が同+8.6%と前期(同+6.7%)から加速したほか、設備投資やインフラ投資などの固定資本形成が同+10.0%と高水準を保ちました。ただし、2017年7月に導入された物品サービス税(GST)に伴う在庫調整により、前年の4-6月期が下振れした反動の影響が大きいと考えられます。

【ポイント2】株式市場は最高値、通貨は最安値更新

■インド経済が高成長を続けるなか、主要株式指数のSENSEXは8月28日に過去最高値を更新しました。一方、インドルピーはアルゼンチンなどの新興国通貨安の影響から対米ドルで31日、最安値を更新しました。

【今後の展開】成長ペースはやや鈍化するものの、内需主導の高成長が続く

■インド経済は、GST導入の反動増によるプラス要因が剥落することや、最近の原油高や通貨安によるインフレ圧力に加え、連続利上げの影響などから経済成長のペースがやや鈍化するとみられます。ただし、賃金上昇に伴う民間消費の増加や投資の回復局面入りから、今後も内需主導の高成長を続けると予想されます。

■株式市場は好調なインド経済を背景に今後も底堅い展開が期待されます。一方、米ドル高地合いに伴う新興国通貨の下落圧力が続くなかで、当面インドルピーは上値の重い展開となりそうです。

(2018年 9月 3日)

印刷用PDFはこちら↓

インドの経済・市場動向(2018年9月前半)4-6月期GDPは+8.2%成長、先行きはやや鈍化も高成長続く

関連マーケットレポート

2018年 8月21日 インドの経済・市場動向(2018年8月後半)
2018年 8月 7日 アジア・マンスリー(2018年8月号)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会