好業績を背景に大崩れしない米国株式市場 米通商政策が足かせに

好業績を背景に大崩れしない米国株式市場 米通商政策が足かせに

【ポイント1】頭の重い展開
米中貿易摩擦が深刻化する懸念広がる

■米国株式市場は8月に入ってから頭の重い展開となっています。7月31日にトランプ米政権が2,000億ドル相当の中国からの輸入品への制裁関税上乗せ幅を10%から25%に拡大する可能性が報じられました。また8月7日、8日には、米中双方が当初示していた500億ドル相当の追加関税のうち、残り160億ドル分の発動日を決定しました。こうした米中貿易摩擦がさらに深刻化する懸念の広がりに加え、トルコへの経済制裁などの強化に伴うトルコリラの下落と米ドル高なども市場センチメントに影響を与えています。

 

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【ポイント2】好業績が株価を下支え
2018年通期予想も上振れ

■こうした中、米国企業の4-6月期の決算は総じて好調でした。トムソンロイターズの調べによれば、S&P500採用企業の1株当たり利益は前年同期比で+24.5%の増益です(8月15日発表ベース)。2018年通期も前年比+23.3%と5月末時点(同+22.0%)よりも上振れています。好業績が株価を下支えしていると考えられます。

 

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【今後の展開】当面一進一退の展開が続こう

■米国企業の好業績は年後半も持続する見通しで、米国株式市場は中期的には緩やかな上昇が期待されます。ただ、当面は一進一退の展開となりそうです。11月の中間選挙を控え、米国の通商政策はより保護主義的な色彩を帯びると思われます。米中貿易摩擦の深刻化に加え、足元ではトルコに対して経済制裁を実施し、トルコが米国製品に制裁関税をかけるなど混迷の度合いが深まっています。また、欧州連合(EU)との貿易交渉や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉なども控えています。関税引き上げ合戦が広がる可能性は少ないと思われますが、米国の通商政策の行方をにらみながらの展開が続きそうです。

(2018年 8月17日)

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好業績を背景に大崩れしない米国株式市場 米通商政策が足かせに

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