減速傾向が続く中国経済(2018年8月)政府の景気対策で減速ペースは緩やかなものに

減速傾向が続く中国経済(2018年8月)

【ポイント1】固定資産投資は減速

インフラ投資の減速が続く

■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~7月の固定資産投資は前年同期比+5.5%と市場予想(ブルームバーグ集計、同+6.0%)を下回り、1~6月(同+6.0%)から伸び率が縮小しました。

■内訳をみると、インフラ投資が同+5.7%となり、1~6月(同+7.3%)からさらに減速しました。地方政府の債務抑制により、インフラ投資の伸び鈍化が続いています。

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【ポイント2】鉱工業生産は横ばい

小売売上高も減速

■7月の鉱工業生産は前年同月比+6.0%と市場予想の同+6.3%を下回り、6月から横ばいでした。ただ、コンピューター、通信その他電子機器が同+13.5%となるなど、IT関連の生産は全体の伸びを上回りました。

■7月の小売売上高は前年同月比+8.8%と市場予想の同+9.1%を下回り、6月(同+9.0%)から減速しました。自動車や電気製品の販売が低迷しました。

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【今後の展開】政府の景気対策で減速ペースは緩やかなものに

■中国共産党は7月31日に開催された中央政治局会議で、2018年下期に積極的な財政政策で景気を下支えする方針を決定しました。インフラ投資案件を資金面で支えることなどにより、米国との貿易摩擦拡大の影響に備え、景気安定を優先する姿勢を明らかにしたとみられます。また、金融政策については、中小企業を含む企業部門に対して市場への資金供給を増やす姿勢を示しました。

■政府の景気対策により、今後の景気減速ペースは緩やかなものになると考えられます。IT関連の生産が高水準を維持するなど、産業構造の高度化が着実に進展していることも景気を支えると思われます。

(2018年 8月14日)

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