インドの経済・市場動向(2018年7月前半)インドルピーは下落も、値持ちがいいインド株式

インドの経済・市場動向(2018年7月前半)

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【ポイント1】ルピーは下落傾向

米中貿易摩擦や原油高を嫌気

■インドルピーは7月2日に1ドル=68.80ルピーと対ドルで過去最安値を更新しました。米国の利上げが続きドル高圧力がかかるなか、米中貿易摩擦の激化を受けて海外投資家がアジア新興国から資金を引き揚げる動きが強まっています。特に経常赤字国の通貨が対ドルで売られており、ルピーも弱含んでいます。また、原油の8割強を輸入に頼るインドにとって、最近の原油価格の高騰もルピーの下落要因です。原油価格の上昇が続けばインドの経常赤字が拡大するためです。

 

【ポイント2】6月のインド株式市場は小幅高
アジア市場のなかでは相対的にしっかりした動き

■6月のアジアの株式市場が米中貿易摩擦の再燃を受けて軒並み下落するなか、インド株式市場は、主要株式指数のSENSEXが月間で小幅高となるなど、相対的にしっかりした動きとなりました。ただし、インド政府も、米国が発表したインドの鉄鋼製品などに対する追加関税の報復措置として、米国からの輸入品に追加関税を課すと明らかにしたことや、原油高、ルピー安が進行したことに伴いインド準備銀行の利上げ観測が高まったこともあり、株式相場の上値は抑えられました。

 

【今後の展開】株式市場は底堅い展開

■インドルピーは、インド準備銀行の金融引き締め姿勢が支えとなるものの、ドル高地合いが続くなかで経常収支の赤字が嫌気されやすく、当面下落圧力がかかるとみられます。

■株式市場は、中期的にはインド経済の成長加速を背景に底堅い展開が期待されます。インドは内需中心の経済のため、世界貿易の停滞が懸念される局面で投資資金の受け皿となる可能性があります。

 

(2018年 7月 4日)

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