景気は減速するも底堅さを維持するユーロ圏経済(2018年6月)ECBは底堅い景気と物価安定を背景に資産購入を終了へ

景気は減速するも底堅さを維持するユーロ圏経済(2018年6月)

【ポイント1】景気は緩やかに減速

ただし景気は堅調さを維持している

■ユーロ圏のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)は2017年12月に60.6をつけた後、緩やかな低下傾向となり、6月には55となるなど、昨年末が直近の景気の勢いのピークでした。

■ユーロ圏の景況感は足元で低下してきているものの、好不況の分岐点である50を大きく上回っており、今後も景気は堅調さを維持すると見られます。

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【ポイント2】資産購入プログラムは終了へ

利上げは来年夏以降

■ユーロ圏の5月の消費者物価指数は前年同月比+1.9%と、原油や賃金の価格上昇の影響などにより、4月の同+1.2%から大きく上昇しました。

■15日に開催されたECBの理事会は、量的緩和政策である資産購入プログラムを、10月以降は月額150億ユーロへと半減し、2018年末に終了すると決定しました。ユーロ圏景気が底堅いことや、物価が安定してきていることがその背景にあります。一方で、各政策金利については、少なくとも2019年夏までは現在の水準に据え置くとしています。

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【今後の展開】景気は底堅い一方、政治面では不透明感が高まる

■ユーロ圏では、景気が底堅い一方、政治面では不透明感が高まってきています。今月に入りようやく発足したイタリアの新政権はポピュリズムを公言しており、拡張的な財政政策を巡ってEUと厳しい折衝を行う見込みです。加えてこの新政権は、難民に対して強硬な受け入れ拒否を示したことで、イタリア国内外に歪みを生んでいます。ドイツでも政権内で難民対策に関する対立が深まり、連立政権が揺らいでいます。また、米国で高まる保護主義の動きはユーロ圏でも警戒されており、引き続き注目材料と考えられます。

 

(2018年 6月27日)

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