堅調に推移する原油価格(2018年6月)需要拡大に対応してOPECは減産縮小へ

堅調に推移する原油価格(2018年6月)需要拡大に対応してOPECは減産縮小へ

【ポイント1】OPECが減産縮小へ

減産遵守率を引き下げる計画

■石油輸出国機構(OPEC)は、2018年6月22日にウィーンで開催した総会で、原油の増産を目指す方針を採択しました。

■OPEC加盟国による協調減産の遵守率は5月に152%まで高まりましたが、これを7月1日からは100%に引き下げるというものです。

■翌23日に開催されたOPECと、非OPEC主要産油国の閣僚会合でも、OPEC総会での合意に従うことが決定されました。
 

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【ポイント2】増産が必要となる見通し

日量63万バレル程度の増産へ

■OPEC月報の最新号によれば、5月のOPEC原油生産量は日量3,187万バレルです。生産枠の上限が同3,250万バレルですので、減産遵守率を100%に引き下げるためには、単純計算で同63万バレルの増産が目指されることになります。

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【今後の展開】原油価格は現状程度の水準で高止まりする見通し

■世界の原油需給は引き締まってきました。世界的な景気拡大により需要が拡大しているうえ、OPECおよび非OPEC主要産油国による協調減産の効果により、供給増加の勢いが鈍ってきたためです。

■需給の改善を支えに、北米の代表的な原油価格であるWTI価格は、2018年2月初旬の1バレル当たり59ドル台を当面の底に緩やかな上昇基調にあります。米国の対イラン経済制裁発動に伴い供給が一段と細るとの観測が浮上してきたこともあり、原油価格は、同70ドル前後で推移しています。

■今後、原油価格は、仮にイランからの供給減等による上振れがあったとしても、(1)OPEC諸国に増産余力が残っている、(2)原油価格の上昇につれ、米国のシェールオイル生産も徐々に増加すると予想される、等から判断すると、やがて同60〜70ドルの領域に回帰すると考えられます。
 

(2018年 6月27日)

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