ブラジルの金融政策は現状維持(2018年6月)政策金利を2会合連続で据え置き

2018/06/21

ブラジルの金融政策は現状維持(2018年6月)政策金利を2会合連続で据え置き

【ポイント1】6.50%に据え置き

市場の予想通り

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、6月20日の金融政策委員会で、政策金利を6.50%で据え置くことを全会一致で決定しました。政策金利据え置きは2会合連続で市場の予想通りでした。
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【ポイント2】ガイダンスを変更

通貨安やストの影響を警戒

■中銀は、声明文で経済・インフレ見通しとリスクのバランスを考慮し、政策金利を据え置いたと説明しました。5月の消費者物価は前年同月比+2.86%と物価目標レンジ(+3~6%)を引き続き下回っており、今後もインフレの落ち着きを見込んでいるためです。

■一方、中銀は、5月に起きたトラック運転手による大規模ストライキによって、経済の評価が難しくなったと指摘しました。この影響で一時的にインフレ圧力が高まるとみられます。また、通貨安によるインフレへの2次効果も警戒しています。

■中銀は、前回の声明文のガイダンスでは、次回の政策金利を維持する姿勢を示していましたが、今回は、その文言を削除しました。今後の示唆を示さなかったことで、引き締めも選択肢となる可能性が出てきました。
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【今後の展開】レアルは上値の重い展開

■中銀の金融政策現状維持を受け、通貨レアルは20日、対米ドルで1ドル=3.77レアル台で引けました。レアルはトラック運転手のストライキなどが嫌気され、一時3.9レアル台に下落しましたが、中銀による通貨スワップを用いた為替介入を受けてやや反発しています。しかしながら、米利上げ見通しが今年3回から4回に変わり、ドル高に伴う新興国からの資本流出圧力がかかるなか、大統領選挙を今年の10月に控えた政局の不透明感も逆風となることから、レアルは当面上値の重い展開となりそうです。

(2018年 6月21日)

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