最近の指標から見る中国経済(2018年6月)景気の減速ペースは緩やかなものに

最近の指標から見る中国経済(2018年6月)景気の減速ペースは緩やかなものに

【ポイント1】固定資産投資は減速

市場予想を下回る

■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~5月の固定資産投資は前年同期比+6.1%と市場予想(ブルームバーグ集計、同+7.0%)を下回り、1~4月(同+7.0%)から伸び率が縮小しました。

■内訳をみると、インフラ投資が同+9.4%と、1~4月(同+12.4%)から減速し、2桁を割り込みました。地方政府の債務抑制に伴いインフラ投資の伸びが鈍化したとみられます。

 

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【ポイント2】鉱工業生産も伸び鈍化

小売売上高も減速

■5月の鉱工業生産は前年同月比+6.8%と市場予想(同+7.0%)を下回り、4月(同+7.0%)から伸び率がやや縮小しました。上述のインフラ投資抑制の影響などが現れましたが、産業AI機器などのIT関連の生産は高水準の伸びを維持しました。

■5月の小売売上高は前年同月比+8.5%と市場予想(同+9.6%)を下回り、4月(同+9.4%)から減速しました。

 

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【今後の展開】景気の減速ペースは緩やかなものに

■以上の通り、5月の主要経済指標は、市場予想を下回りました。中国政府が進める供給サイドの構造改革や金融システムリスク抑制の影響とみられます。ただし、5月の小売売上高は、祝日日数の関係で下振れした模様で、6月は上振れる見込みです。また、7月以降は輸入関税引き下げを通じて上向くとみられます。

■加えて、政府の「経済の質重視」の方針の下で、ITセクターの生産が高水準を維持するなど、産業構造の高度化は着実に進展していると思われます。今後景気は緩やかに減速するとみられるものの、ITセクターの発展に加え、政府の政策対応余地もあることから、大きく下振れはしないと考えられます。

 

(2018年 6月14日)

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