『オフィスビル空室率』、低い水準で推移

『オフィスビル空室率』、低い水準で推移

『オフィスビル空室率』や平均賃料は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃に公表しています。2012年には9%台だった東京都心5区の空室率は2%台まで低下しました。空室率の低下に伴い、平均賃料も緩やかながら上昇基調にあります。今後は、東京でオリンピックが開催される2020年にかけて、新築ビルの大量供給が予定されています。空室率と平均賃料に及ぼす影響が注目されるところです。

【ポイント1】5月の都心5区の『オフィスビル空室率』は低水準で推移

既存ビルでの成約が順調に進展

■6月7日に公表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の5月の『オフィスビル空室率』は2.68%でした。前月に比べ0.03ポイント上昇しましたが、引き続き低い水準を維持しています。

■新築ビルの空室率は7.00%、同2.29ポイントの低下となったものの、既存ビルの空室率が2.60%、同0.06ポイント上昇しました。

■5月は、大規模ビル1棟が満室で竣工したほか、既存ビルでも順調に成約が進みましたが、竣工予定ビルへの移転に伴う大型空室の募集開始が影響しました。

【ポイント2】平均賃料は緩やかな上昇が続く

8年10カ月振りに2万円台乗せ

■空室率の改善に伴い、賃料は緩やかながら上昇を続けています。5月の都心5区の平均賃料は、前月比0.62%増の坪当たり2万19円となりました。平均賃料の2万円台乗せは、2009年7月以来8年10カ月振りのことです。

■5月は、新築ビルの平均賃料が2万7,065円、同0.16%の低下となったのに対し、既存ビルは1万9,806円、同0.65%上昇しました。

 

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【今後の展開】今後『オフィスビル空室率』は緩やかな上昇へ

■東京では、2018年から2020年にかけて、オフィスビルの大規模な新規供給が予定されています。2013年9月に、東京でのオリンピック開催が決定して以降、インフラ整備の一環として、計画・着工されたオフィスが2018年以降、順次竣工し、供給されるからです。

■一方、世界的に景気が拡大基調にあるため、東京都心でのオフィス需要も堅調な拡大が見込まれます。今後、空室率は上昇に向かうと予想されますが、需要がしっかりしていることを踏まえると、上昇のペースは比較的緩やかなものになる見通しです。賃料も底堅い推移となりそうです。

(2018年 6月11日)

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