インドの経済・市場動向(2018年6月前半)インド準備銀行が利上げ、株式、通貨は上昇、債券は下落

インドの経済・市場動向(2018年6月前半)

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【ポイント1】インド準備銀行が利上げ

4年5カ月ぶりの利上げ

■インド準備銀行(RBI)は6月6日、市場予想に反して、金融政策決定会合で政策金利を6.00%から6.25%へ引き上げました。利上げは2014年1月以来、4年5カ月ぶりです。今回6人の金融政策委員全員が賛成したことも予想外でした。RBIは利上げの理由として、原油価格を中心とする投入コストの上昇によるインフレ懸念の顕在化を指摘しました。5月に一段と加速したインドルピー安も警戒したとみられます。RBIは、2018/19 年度後半を中心にインフレ見通しを小幅に上方修正した一方で、中立姿勢を維持しました。

 

【ポイント2】株式市場、通貨は上昇

債券市場は下落

■RBIの利上げを受けた6日のインド金融市場では、主要株式指数のSENSEXが+0.8%高で引けるなど株式市場は上昇しました。インドルピーも対米ドルで、+0.3%高と上昇しました。一方、債券市場は利上げの継続が懸念されて下落し、10年国債利回りが7.91%と0.07%上昇し、年初来の高水準を更新しました。

 

【今後の展開】株式は底堅い展開、通貨安には歯止めがかかる見通し

■現在の株式市場のバリュエーション(株価評価)は、利益成長との関係で概ね適切な範囲内と判断されます。今後は、モンスーン(雨季)の降雨量、原油価格、インフレ動向などが注目されますが、基本的にはインド経済の成長加速を背景に株式市場は底堅い展開が期待されます。

■RBIが市場の予想に反して前倒しで利上げを行ったことで、当面インドルピーの下落には歯止めがかかるとみられます。ただし、RBIは政策スタンスを中立に維持したものの、今後の金融政策は経済指標次第と考えられます。インフレが加速すれば、利上げ観測から10年国債利回りには上振れ余地があるとみられます。

(2018年 6月 8日)

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