ブラジルの経済・市場動向(2018年5月)景気は緩やかな回復続く、ストを受け市場はトリプル安

ブラジルの経済・市場動向(2018年5月)

【ポイント1】GDPは前期比+0.4%

緩やかな回復基調

■5月30日に発表されたブラジルの2018年1-3月期の実質GDPは前期比+0.4%と、市場予想(ブルームバーグ集計、同+0.3%)をやや上回り、5四半期続けてプラス成長となりました。前年同期比では+1.2%と、4四半期連続のプラスでした。内訳をみると、消費主導で緩やかな回復基調にあることが確認されました。

 

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【ポイント2】ブラジルで大規模スト

景気への影響が懸念される

■しかし、ここにきて景気の減速要因が浮上しています。ブラジルで燃料価格の高騰に抗議するトラックの運転手組合の大規模ストライキが5月21日に発生し、物流網のまひにより経済に混乱をきたしています。テメル政権は、燃料価格の引き下げなどの対策を提示したものの、混乱は収まらず、軍が出動する事態に発展しました。テメル政権は、追加の対策を提示しましたが、ストは続いている模様で、景気への影響が懸念されます。

 

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【今後の展開】大規模ストの早期収束が図れるかに注目

■米金利高に伴う資金流出懸念から不安定だったブラジルの金融市場は、トラックの運転手の大規模ストもあり、トリプル安に見舞われました。株式市場では、主要株価指数のボベスパが5月28日に年初来安値をつけるなど、大幅に調整しました。為替市場では、通貨レアルが対米ドルで2016年3月以来の安値水準に下落しました。債券市場も下落し、10年国債利回りは4月末の9.8%台から5月30日には11.4%台へ上昇しました。

■ブラジルのトラック運転手のストが更に長期化すれば、景気減速に加えて、インフレ加速や同国政府の支出拡大による財政悪化をもたらすリスクがあります。ストが石油業界に波及し、国営石油会社による新たなストが行われたとの報道も出ているなか、ストの早期収束が図れるかが注目されます。

 

(2018年 5月31日)

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