米国トランプ政権の命運を握る『中間選挙』
米国トランプ政権の命運を握る『中間選挙』
米国で、大統領職の1期4年のうち半期2年が経過した時点で実施される議員選挙を、『中間選挙』と呼びます。2018年は『中間選挙』の年に当たり、上院議員のうち3分の1、下院議員の全員が改選となります。『中間選挙』は、共和党、民主党とも、先ず各選挙区内の候補者を一本化する予備選を3月から始め、11月第一月曜日の属する週の火曜日、18年は11月6日に本選を実施します。 |
【ポイント1】現在は上下両院とも共和党が過半を占めている
『中間選挙』では下院は全議席が改選へ
■議会における共和、民主両党の勢力分布は、定数100議席の上院が与党共和党51議席、民主党が49議席、定数435議席の下院は共和党237議席、民主党192議席(残り6議席は空席)です。今回の中間選挙では上院が34議席、下院は全議席が改選されます。
【ポイント2】『中間選挙』で注目されるのは下院
上院は共和党が優勢
■今回の『中間選挙』で、注目されるのは下院です。下院の共和党は22議席を失うと、過半数を割り込んでしまうからです。一方、上院は、改選議席数が民主党の26議席に対し、共和党は僅か8議席と、圧倒的に共和党が有利です。ただし、フィリバスター(※)を阻止できる60議席の確保は、難しいと考えられます。
■調査会社RealClear Politics社の現時点における予想は、上院が民主党44議席、共和党48議席、残り8議席は接戦、下院が民主党201議席、共和党203議席、接戦が31議席です。こうして見ると、下院はどちらが勝利してもおかしくない状況といえそうです。
(※)議事妨害。特に上院において長時間にわたる演説を行って議事の進行を妨げる行為。
【今後の展開】直近の調査ではトランプ大統領の不支持率が支持率を上回る
■RealClear Politics社の最新の世論調査によれば、トランプ大統領の支持率は43.1%、不支持が52.9%でした。ニュージャージー州やバージニア州の州知事選、アラバマ州の上院補欠選挙など最近実施された選挙でも、共和党の敗戦が続いています。加えて、人気のある共和党のライアン下院議長は、『中間選挙』に不出馬を表明しました。
■仮に共和党が下院の過半数を失い、民主党が過半を制すると、トランプ政権はレームダック化します。そうなると、2019年以降の追加の景気対策は実現が困難になること等が考えられます。現時点での政党支持率はあまり参考になりませんが、それだけに選挙戦の推移を、注意深く見守っていく必要があるといえそうです。
(2018年 5月23日)
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