ブラジルの金融政策は現状維持(2018年5月)予想外の政策金利据え置き、レアル安を警戒

ブラジルの金融政策は現状維持(2018年5月)予想外の政策金利据え置き、レアル安を警戒

【ポイント1】6.50%に据え置き

予想外の金融政策現状維持

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、5月16日の金融政策委員会で、政策金利を6.50%で据え置くことを全会一致で決定しました。

■政策金利据え置きは市場の想定外でした。中銀は、前回の会合で、あと一回の追加利下げを示唆していただけに、多くの市場参加者は利下げを予想していました。

 

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【ポイント2】インフレリスクが変化

レアル安を警戒

■4月の消費者物価が前年同月比+2.76%と物価目標レンジを引き続き下回るなか、中銀は声明文で、足元のインフレ動向は好ましいとしながら、インフレ見通しのリスクバランスが最近変わったことにより、政策金利を据え置いたと説明しました。

■中銀は、世界景気の見通しがより厳しくなり、金融市場が調整していることで、新興国に対するリスク選好度が低下したと指摘しています。ブラジルの通貨レアルが前回会合以降、対米ドルで10%を超えて下落するなか、通貨安による悪影響を警戒したものとみられます。

 
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【今後の展開】次回も据え置きが見込まれる

■今回の政策金利据え置きにより、2016年10月に始まった金融緩和サイクルは終了した可能性があります。中銀のガイダンスによれば、次回6月の金融政策委員会でも、政策金利が据え置かれる見通しです。

■中銀の金融政策現状維持を受け、通貨レアルは16日、対米ドルで約2年ぶりの安値水準となる1ドル=3.67レアル台で引けました。レアルは当面、上値の重い展開となりそうです。堅調な米国景気を背景に米利上げペースの加速観測から米長期金利が上昇するなかで、新興国からの資本流出圧力がかかりやすくなっています。さらに、大統領選挙を今年の10月に控えた政局の不透明感もレアルへの逆風となりそうです。

(2018年 5月17日)
 

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