底堅く推移する中国経済(2018年5月)固定資産投資は減速も、鉱工業生産は上振れ

底堅く推移する中国経済(2018年5月)固定資産投資は減速も、鉱工業生産は上振れ

【ポイント1】固定資産投資は減速

市場予想を下回る

■中国国家統計局は15日、主要経済指標を発表しました。1~4月の固定資産投資は前年同期比+7.0%と市場予想(ブルームバーグ集計、同+7.4%)を下回り、1~3月(同+7.5%)から伸び率が縮小しました。

■内訳をみると、全体の約6割を占める民間投資は同+8.4%と、1~3月(同+8.9%)から減速したものの、比較的高水準でした。

 

20180515ch1

 

【ポイント2】4月の鉱工業生産は上振れ

小売売上高は減速

■4月の鉱工業生産は前年同月比+7.0%と市場予想(同+6.4%)を大きく上回り、3月(同+6.0%)から伸び率が拡大しました。生産は輸出拡大や、半導体などのIT関連の高い伸びに支えられて、前月から上振れました。

■一方、4月の小売売上高は前年同月比+9.4%と市場予想(同+10.0%)を下回り、3月(同+10.1%)から減速しました。

 

20180515ch2

 

【今後の展開】米中貿易摩擦問題は落としどころを探る見通し

■固定資産投資が減速するも鉱工業生産は上振れるなど、中国景気は底堅く推移している模様です。今後は、米中の貿易摩擦問題が注目されます。習近平国家主席は4月のボアオ・アジアフォーラムで、外資系金融機関に対する現行の規制緩和や自動車の関税引き下げなど、改革開放路線を推進することを表明しました。中国政府は、これらの措置を早い時期に発表することで貿易摩擦問題の緩和を図ったとみられます。

■一方、トランプ米大統領が中国通信機器大手会社への制裁緩和の方針をツイッターで示すなど、米国も歩み寄りの姿勢を見せ始めた模様です。米中両国は、今後も貿易摩擦問題を巡り激しい交渉を行うとみられますが、最終的には落としどころを探り妥協点を見出すことで、深刻な貿易戦争を避けると思われます。

 

(2018年 5月15日)

印刷用PDFはこちら↓

底堅く推移する中国経済(2018年5月)固定資産投資は減速も、鉱工業生産は上振れ

関連マーケットレポート

2018年 4月20日 3月の中国『住宅価格』は春節の反動で上昇

2018年 4月17日 堅調さを維持する中国経済(2018年4月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会