日銀新執行部での金融政策は現状維持(2018年4月)日米金利差の拡大は円安・株高要因

日銀新執行部での金融政策は現状維持(2018年4月)日米金利差の拡大は円安・株高要因

【ポイント1】金融政策は現状維持

市場の予想通り

■黒田・雨宮・若田部新体制として初めての会合となり注目された金融政策決定会合で、日銀は27日に市場の予想通り、金融政策の現状維持を決定しました。積極的な金融緩和派とされる若田部副総裁も賛成しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度に操作する金融調節を維持します。また、長期国債を買い増すペースも年約80兆円を目途とすることを据え置きました。

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【ポイント2】GDP見通しは小幅引上げ

物価目標の達成時期を削除

■同日、日銀は「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を発表しました。2019年度までの見通しを従来の見通しと比べると、「成長については幾分上振れている。物価については概ね不変である」としました。実質GDP成長率見通しの中央値を18年度は+1.6%(前回1月比+0.2%)、19年度+0.8%(同+0.1%)と引き上げました。

■物価については、物価上昇率見通しの中央値を18年度+1.3%(同▲0.1%)と前回から引き下げました。物価安定の目標である+2%程度に達する時期は2019年度頃とした記述を今回削除しました。
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【今後の展開】日米金利差拡大は円安・株高要因

■3月の消費者物価指数は生鮮食品を除くベースで前年同月比+0.9%の上昇でした。日銀が掲げる目標にはなお距離があるだけに、日銀は物価目標達成に向けて、金融緩和を継続していくとみられます。

■一方、米国では減税や財政支出増などを背景とした景気拡大やインフレ率の上昇を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)は今後も追加利上げを実施するとみられます。日米金利差拡大は円安・株高要因と考えられます。

 

(2018年 4月27日)

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