次第に落ち着きつつある米国株式市場 好決算を背景に回復の兆し

次第に落ち着きつつある米国株式市場 好決算を背景に回復の兆し

【ポイント1】3月は貿易摩擦懸念が高まった

一部ハイテク株の下落も重石

■S&P500種指数は3月中旬以降再び調整色を強めました。調整要因の第一は米中の貿易摩擦問題です。3月22日にトランプ大統領が知的財産権侵害を理由に中国への輸入関税などを発表したことや中国が報復措置を打ち出したことで摩擦の拡大が懸念されました。第二はトランプ大統領の政権運営に対する不透明感です。第三は個人情報の漏えいが嫌気されたフェイスブックやトランプ大統領が課税強化を検討と報じられたアマゾンなど、一部ハイテク株の下落です。

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【ポイント2】その後次第に落ち着きを取り戻す

貿易摩擦に対する懸念が後退

■S&P500種指数は2,581.88(4月2日)まで下落しましたが、次第に落ち着きを取り戻しつつあります。10日に習近平中国国家主席が自動車の輸入関税引き下げを含む市場開放策を発表したことなどで米中の貿易摩擦に対する懸念が一旦後退したことや、フェイスブックのザッカーバーグCEOの議会証言を受けて「情報技術」セクターが値を戻したことなどが背景です。

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【今後の展開】好決算を背景に回復の兆し

■米中貿易摩擦に対する懸念の後退などから、市場には安心感が広がりました。今後は本格化する企業決算が注目されます。トムソン・ロイター(4月18日)によれば、S&P500採用企業の18年1-3月期の増益率は前年同期比+19.4%と好決算が予想されます。米国株式市場は好決算を背景に回復基調に戻ると期待されます。

■ただ、米中貿易摩擦には引き続き注意が必要です。6月初旬にかけて米通商代表部(USTR)は第一弾の対中関税に関する大枠を設定する見通しで、対象となる品目や米中間の交渉の経緯などが注目されそうです。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2018年 4月19日)

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