インドの経済・市場動向(2018年3月後半)株式市場は調整続く、債券市場は反発

インドの経済・市場動向(2018年3月後半)株式市場は調整続く、債券市場は反発

 

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【ポイント1】株式市場は引き続き軟調な展開

国営銀行の不正取引の影響や貿易摩擦への警戒感

 

■インド株式市場は、主要株価指数のSENSEXが年初来安値圏にあるなど、引き続き軟調な展開となっています。大手国営銀行を巡る巨額の不正取引の影響が尾を引いていることに加え、トランプ米政権が中国に対して「通商法301条」を発動すると表明し、貿易摩擦が高まることへの警戒感から投資家のリスク回避姿勢が強まり、世界的に株式市場が調整したことが背景です。

 

 

【ポイント2】債券市場は反発

インフレ率の鈍化やリスク回避の動き

 

■インドの2月の消費者物価指数は野菜価格の落ち着きを主因に前年同月比+4.4%と、市場予想の同+4.7%を下回り、1月の同+5.1%から鈍化しました。昨年秋以降、下落基調が続いてきた債券市場は、インド準備銀行が金融引き締め方向へ政策スタンスを変更するとの警戒感が和らいだことや、米中の貿易戦争への懸念と世界的な株安を受けたリスク回避の債券買いなどから反発しました。インドの10年国債利回りは月初の7.7%台から7.6%近辺へ低下しました。

 

 

【今後の展開】経済成長加速や業績拡大が株式市場を支えよう

 

■インドの1月の鉱工業生産指数は前年同月比+7.5%増と好調で、資本財生産が上振れるなど投資が持ち直していることを示唆しました。株式市場は調整局面が続いていますが、インド経済は加速しつつあるとみられ、今後は業績拡大期待が株式市場を支えると思われます。

■債券市場では、目先のインフレ上振れリスクが一旦後退しそうです。次回の金融政策決定会合ではインド準備銀行が現状の中立スタンスを維持するとみられ、長期金利は当面もみ合う展開が見込まれます。

 

(2018年 3月27日)

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