家計の『金融資産』は2017年も過去最高更新

<今日のキーワード>家計の『金融資産』は2017年も過去最高更新

家計の『金融資産』は日銀が3カ月ごとに発表している「資金循環統計」で把握することができます。「資金循環統計」は、金融機関や企業、家計、政府など各部門の『金融資産』と金融負債の推移を、預金や貸出といった金融商品ごとに記録した統計です。これにより、家計がどの『金融資産』を保有し、どの『金融資産』に資産を移動させたか、などといったおカネの流れを全体的に把握することができます。

【ポイント1】家計の『金融資産』は1,880兆円と過去最高を更新

株価の上昇などにより、株式等や投資信託の残高が大幅に増加

■日銀が3月19日に公表した2017年12月末の「資金循環統計(速報)」によると、家計の『金融資産』の残高は、前年末比+3.9%の1,880兆円と、過去最高を更新しました。

■内訳をみると、現金・預金が同+2.5%の961兆円となりました。全体に占める割合は51.1%と、依然家計の『金融資産』の半分以上を占めていますが、2016年末の51.8%からはやや比率が低下しました。

■また、株式等は同+17.3%の211兆円、投資信託は同+13.1%の109兆円と大幅に増加しており、家計の『金融資産』全体の増加に寄与しました。ただ、2017年末の日経平均株価は同+19.1%、米ドル円レートは同▲3.7%の円高だったことなどから考えると、株価の上昇によるところが大きいと見られます。

 

【ポイント2】企業の『金融資産』は株式等が大幅増加

株式等は前年比+20.9%

■企業(民間非金融法人企業)の『金融資産』の残高は同+11.5%の1,266兆円となりました。

■資産の内訳をみると、株式等が同+20.9%と大幅な増加となりました。現金・預金は同+5.2%の増加にとどまりました。一方、対外直接投資は同+12.3%、対外証券投資は同+10.6%となりました。

 

180326MK

 

 

【今後の展開】資産形成にはNISAやiDeCoなどの税制優遇制度の活用も一手

■日銀の「資金循環の日米欧比較」(2017年3月末時点)によると、家計の『金融資産』に占めるリスク資産(株式等と投資信託の合計)の割合は、米国で46.8%、ユーロエリアで27.4%、日本で15.4%となっています。日本では、2017年末には17.0%へと高まったものの、欧米と比べてその割合は低くとどまっています。マイナス金利などにより預金だけでは資産の成長が期待しにくい中、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型DC)など、税制優遇を受けられる制度が広がりつつあります。リスク資産を取り入れる際に、こうした制度を上手く活用することも資産形成の一助になると考えられます。

 

 

(2018年 3月26日)

印刷用PDFはこちら↓

家計の『金融資産』は2017年も過去最高更新

 

 

関連マーケットレポート

2018年 3月16日 『春闘』のベースアップは昨年を上回る見込み

2018年 3月 5日 『法人企業統計』半導体需要が好調

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会