拡大を続ける豪州経済(2018年3月)景気は堅調だが、物価の安定から金融政策は現状維持へ
拡大を続ける豪州経済(2018年3月)
【ポイント1】景気は堅調に推移
雇用が改善
■2018年2月の雇用者数は、月毎の変動を均したトレンド値で見て前月比1.9万人増となり、失業率を引き下げるのに必要とされる増加数+2万人程度とほぼ同じ水準を維持しました。
■企業の景況感指数が高い水準にあること等から、雇用は今後も拡大を続ける見込みです。労働市場の改善に伴い、家計消費も持ち直してきました。
【ポイント2】金融政策は中立維持へ
物価がRBAの目標値に未達
■フィリップ・ロウ豪州準備銀行(RBA)総裁は、今年3月、金融政策の次なる一手は利上げと述べ、その条件としてインフレ率+2.5%(RBAの目標レンジ+2%~+3%の中間値)の達成等を挙げています。ところが、直近17年10-12月期のインフレ率は、異常値をつけた項目を除外したトリム平均値で見て、前年同期比+1.8%にとどまりました。
■RBAは、3月6日に開催した金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を1.50%に据え置きました。インフレの動向から判断すると、RBAは今後もしばらくは中立スタンスを維持する見通しです。
【今後の展開】豪ドルは今後、持ち直そう
■足元の豪ドルの対円相場は、軟調に推移しています。米国と中国との間で貿易摩擦が高まる可能性が浮上してきたこと等から、リスク回避の姿勢が強まったためです。当面は、米中関係の動きに左右される展開が予想されますが、堅調な豪州景気、日豪金利差等を踏まえると、持ち直しが期待されます。
(2018年 3月23日)
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