インドの経済・市場動向(2018年3月前半)10-12月期GDPは+7.2%、巡航速度の回復へ
インドの経済・市場動向(2018年3月前半)10-12月期GDPは+7.2%、巡航速度の回復へ
【ポイント1】10-12月期GDPは+7.2%
設備投資が牽引
■17年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.2%と、市場予想(ブルームバーグ集計)の同+7.0%を上回り、7-9月期の同+6.5%から加速しました。昨年7月に物品サービス税(GST)が導入され、その前後で在庫調整の動きが出て景気は一時的に下振れしたものの、混乱期をすでに脱し、回復局面に戻ったとみられます。需要面の内訳をみると、民間消費が減速した一方で、固定資本形成が7-9月期の同+6.9%から10-12月期には同+12.0%へ加速しており、設備投資の伸びが成長を牽引しました。
【ポイント2】株式市場は軟調な展開
銀行株の下落や米国の保護主義への警戒感
■インド株式市場は、主要株価指数のSENSEXが足元で6日続落するなど、軟調な展開となっています。国営銀行を巡る巨額の不正取引の影響や、不良債権処理の厳格化の観測で銀行株が重石となっていることに加え、米国の保護主義的な貿易政策への警戒感から投資家のリスク回避姿勢が強まり、インド株に対する売りが優勢となっています。海外投資家は2月第2週以降4週連続で売り越しています。
【今後の展開】景気回復や地方選挙での与党勝利が株式市場のプラス材料に
■ただし、インド経済は巡航速度の回復局面に戻ったとみられ、先行きの成長加速への期待から消費や投資が活発化すると見込まれます。景気回復に伴う業績改善期待が株式市場を支えると思われます。
■また、3月3日に公表された3州の地方選挙では、政権与党のインド人民党(BJP)がトリプラ州で勝利し、メガラヤ州とナガランド州でも善戦するなど、来年の総選挙に弾みをつけた格好となりました。モディ政権が2期目に入り、構造改革を一段と推進するという期待も、株式市場のプラス材料になるとみられます。
(2018年 3月 8日)
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