堅調さを維持する豪州経済(2018年2月)雇用、消費の持ち直しが豪ドルを下支えしよう
堅調さを維持する豪州経済(2018年2月)雇用、消費の持ち直しが豪ドルを下支えしよう
【ポイント1】 雇用は増加傾向が持続
個人消費を下支えしよう
■2018年1月の雇用者数は、前月比1.6万人の増加となりました。月毎の変動を均したトレンド値は、同2.3万人増となり、失業率を引き下げるのに必要とされる雇用増加数+2万人程度を引き続き上回りました。企業の景況感指数が高い水準にあること等から、雇用は今後も増勢を維持すると予想されます。一方、失業率のトレンド値は前月比横ばいの5.5%でした。労働市場の改善や金利の低位安定等により、個人消費も徐々に上向きつつあります。
■企業部門は、非資源セクターが好調さを保っているうえ、資源セクターも資源価格回復の効果が期待できます。こうした状況で、家計部門が立ち直ってくれば、景気拡大に一段と弾みがつく見通しです。
【ポイント2】 金融政策は中立を維持へ
消費は上向きながら力強さに欠ける
■豪州準備銀行(RBA)は、2月6日に開催した金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を1.50%に据え置く決定をしました。
■声明文からは、景気の持ち直しに自信を深めていることや、労働市場の回復に今まで以上に強気になっていることが窺われます。もっとも、物価や賃金の上昇ペースは依然として緩慢なうえ、家計消費も上向いてきたとはいえ依然、力強さに欠けるため、利上げを急ぐ様子は見受けられません。当面は、中立の政策スタンスが維持されると予想されます。
【今後の展開】 持ち直しが見込まれる豪ドル
■足元の豪ドルの対円相場は、米国の金利上昇を契機とするリスク回避の動きの強まり等から、軟調な展開となっています。しかし、雇用、消費が改善傾向にあることや、資源価格が持ち直してきたこと等から、やがて堅調さを取り戻すと見られます。
(2018年 2月23日)
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