インドの経済・市場動向(2018年2月後半)株式市場は調整、長期金利は7.7%台へ上昇

インドの経済・市場動向(2018年2月後半)株式市場は調整、長期金利は7.7%台へ上昇

 

 

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【ポイント1】 インド株式市場は調整

競争激化懸念や不正取引で銀行株が重石に

 

■インド株式市場は、米長期金利上昇を契機に世界的に株価が下落したことを受けて、1月末から調整しています。主要国の株式市場は反発し、リスク回避の動きは一旦後退していますが、インド株式市場は銀行株の下落が重石となり、出遅れています。インドの銀行株は、早期に不良債権処理を行うルールが発表され、国営銀行への資本注入に伴う銀行間の競争激化が嫌気されたことに加え、インド国営銀行2位のパンジャブ・ナショナル銀行の巨額の不正取引が発覚したことで投資家心理が悪化し、大きく下落しました。

 

【ポイント2】 長期金利は7.7%台へ上昇

債券市場はMPC議事録を嫌気

 

■インド準備銀行(RBI)は2月の金融政策委員会(MPC)で政策金利を据え置きましたが、21日に発表されたMPC議事録では、RBIがタカ派に傾いていることが示されました。債券市場では、インフレが上向き、財政収支が悪化する中で、RBIが引き締め姿勢に転じることが警戒され、長期金利は7.7%台へ上昇しました。

 

【今後の展開】 インド株式市場は徐々に持ち直しへ

 

■足元のインド株式市場は銀行株が重石となり、上値の重い展開となっています。しかし、景気の加速が見込まれ、企業業績の好調さが続く中で、株式市場は徐々に持ち直すと思われます。国営銀行へのテコ入れに伴う銀行間の競争激化は、長期的には銀行の財務改善や不良債権処理の進展に伴う経済の活性化を促すため、プラスの効果が上回ると考えられます。

■債券市場では、RBIが引き締め姿勢に転じることが警戒されていますが、これまでの金利上昇によりある程度市場の織り込みが進んだと見られるため、今後の金利上昇余地は限られてくると思われます。

 

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

 

 

(2018年 2月22日)

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