ブラジル経済の動向(2018年2月)景気は緩やかな回復が続くが、政治リスクに注意

ブラジル経済の動向(2018年2月)景気は緩やかな回復が続くが、政治リスクに注意

 

【ポイント1】 景気は緩やかな回復

10-12月期も伸び拡大の予想

 

■17年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+1.4%と、2四半期続けてプラス成長となりました。14年4-6月期から3年間マイナス成長が続いたブラジル経済は底入れし、緩やかな回復基調にあります。インフレ率の大幅な低下と積極的な金融緩和により個人消費が回復したことが背景です。足元の鉱工業生産等の経済指標が堅調なことから、3月1日に発表される10-12月期の実質GDP成長率は伸び率が拡大するとみられます。

 

 

 

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【ポイント2】 インフレ率は低位安定

中銀は金融緩和の終了を示唆

 

■18年1月の消費者物価は前年同月比+2.9%と、前月から横ばい圏でした。ブラジル中央銀行の物価目標(+4.5%±1.5%)の下限をやや下回っており、インフレ率は落ち着いています。

■中銀は2月7日の金融政策委員会で、政策金利を0.25%引き下げ、6.75%としました。利下げは11会合連続で、政策金利は過去最低を更新しました。ただし、中銀は声明文で、金融緩和サイクルの終了を示唆しました。

 

 

 

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【今後の展開】 景気は緩やかな回復が続くが、政治リスクに注意

 

■ブラジル経済は、内需主導の回復軌道に乗り、今後も緩やかな回復を続けるとみられます。また、インフレ率は、景気回復に伴い年末にかけて中銀の物価目標近辺に上昇すると見込まれます。このため、中銀は2月の追加利下げで金融緩和サイクルを終了し、当面は様子見姿勢に転じる見通しです。

■ただし、ブラジル経済は引き続き政治リスクに注意が必要です。今年10月には大統領選挙が控えており、結果次第で経済の波乱要因となるリスクがあります。国民からの人気が高いルラ元大統領は、収賄等により二審でも有罪判決となったため復活の可能性が低下しましたが、財政緊縮を掲げる現政権の支持率は依然として低く、構造改革路線が継続されるか、政治の先行きは極めて不透明です。

 

 

(2018年 2月20日)

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