『訪日客』増加でインバウンド消費は好調持続

<今日のキーワード>『訪日客』増加でインバウンド消費は好調持続

近年の『訪日客』(日本を訪れる外国人旅行者)の増加が日本経済に好影響を与えています。2017年の『訪日客』累計は2,869万1千人と前年比+19.3%となり、日本政府観光局(JNTO)が統計を取り始めた1964年以降過去最高となりました。インバウンド消費も伸びています。国内消費市場が勢いを欠く中、増加する『訪日客』がもたらすインバウンド消費の増加が、今後とも国内景気の下支え要因となりそうです。

【ポイント1】12月の『訪日客』は252万1千人

2017年累計は前年比+19.3%の2,869万1千人

■『訪日客』数は近年大幅な増加傾向にあります。日本政府観光局(JNTO)が16日に発表した2017年12月の「訪日外客数」(推計値)は、前年同月比+23.0%の252万1千人でした。2017年の累計では前年比+19.3%の2,869万1千人となり、年間で過去最高を更新しました。

■国・地域別(年間)に見ると、空港路線の拡充や韓国内でのキャンペーンが奏功し、韓国が同+40.3%の大幅増加となり、全体をけん引しました。韓国に中国、台湾、香港を加えた東アジア4市場で、『訪日客』の70%以上を占めました。

 

 

【ポイント2】インバウンド年間消費は過去最高!

買物代が最も多く、次いで宿泊料金への支出が多い

■インバウンド消費も堅調に増加しています。観光庁が16日に発表した「訪日外国人消費動向調査」(速報)によると、2017年の訪日外国人消費額は前年比+17.8%の4兆4,161億円と過去最高となりました。1人当たりの消費額は同▲1.3%の15万3,921円となりましたが、客数増で消費額を伸ばしました。

■国・地域別の1人当たり消費額では中国の23.0万円がトップで、全体平均では15.4万円でした。費目別にみると、買物代、宿泊料金の順となります。宿泊料金は欧米豪で高い傾向にあり、平均宿泊数が多いことも影響していると考えられます。

180118MK

 

 

 

【今後の展開】今後も『訪日客』増加によりインバウンド消費は好調が続こう

■『訪日客』の増加は、第2次安倍内閣が経済政策として掲げたアベノミクスの内、金融政策としては黒田日銀総裁の異次元金融緩和策、成長戦略としての規制緩和などとともに、景気回復、株高要因となりました。

■2018年以降も空港路線、クル-ズ船の拡充、査証条件の緩和や継続的な訪日プロモーション効果などによって、『訪日客』の増加によるインバウンド消費の好調が続くと予想されます。インバウンド消費の拡大が引続き景気回復、株高の下支え要因として期待されます。

 

 

 

(2018年 1月 18日)

印刷用PDFはこちら↓

『訪日客』増加でインバウンド消費は好調持続

 

 

関連マーケットレポート

2018年01月16日 『街角景気』前月から低下も高水準を維持

2017年11月15日 記録更新が相次ぐ日本の『景気回復』

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会