2017年の原油市場の振り返り 需給の改善等から原油価格は堅調に推移

2017年の原油市場の振り返り 需給の改善等から原油価格は堅調に推移

 

【ポイント1】堅調に推移した原油価格

2017年は約8%の上昇

 

■2017年の原油価格は、主要な指標であるWTIで見て、年初1月3日の1バレル当たり52.33ドルから6月下旬の同42ドル台までの下落を経て上昇に転じ、12月下旬には同60ドル近傍まで上伸しました。年間では+8.8%の値上がりとなります(12月22日までの年初来変動率)。16年の年間上昇率+45.0%には及ばないものの、17年の原油価格は堅調だったと評価できます。

 

 

 

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【ポイント2】改善する原油需給

世界的な景気拡大で需要が増大

 

■原油価格の上昇は、①世界的な景気拡大による需要の増大、②石油輸出国機構(OPEC)とOPEC非加盟国による協調減産の効果、③米国における掘削活動の鈍化等から、需給が改善したことによるものです。

■OPEC月報の17年12月号によれば、17年の原油需要は世界全体で日量9,694万バレル、前年比同152万バレルの増加、18年は同じく9,845万バレル、同151万バレル増となる見込みです。

■一方、供給量は非OPEC産油国が17年:日量6,413万バレル(前年比同97万バレル増)、18年:同6,530万バレル(同じく同117万バレル増)と予想されています。従って、OPECが同3,250万バレルの生産枠を遵守すれば、需給はタイト化する見通しです。

 

 

 

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【今後の展開】18年も堅調な展開を予想

 

■需給動向から判断する限り、18年も原油価格は堅調な推移が見込まれます。

■ただ、原油価格の上昇はシェールオイルの生産増を誘発するため、上値は抑えられる見通しです。世界銀行編集の「Commodity Markets Outlook」最新号は、18年の原油価格を年間平均で1バレル当たり56ドルと予想しています(17年の平均価格は12月22日までで同50.73ドル)。

 

 

 

(2017年 12月 26日)

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