2018年度インド経済の見通し 18年度は7.8%の高成長へ

2018年度インド経済の見通し 18年度は7.8%の高成長へ

 

【ポイント1】17年度は6.8%に減速

高額紙幣廃止やGSTの影響

 

■17年の景気は16年11月の高額紙幣廃止の影響に加えて、17年7月のGST(物品サービス税)導入を前にした在庫削減の動きなどが経済の停滞を招き、大きく減速しました。4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.7%と、約3年ぶりの低水準となりました。しかし、7-9月期は同+6.3%と反転し、GSTを巡る混乱から景気は持ち直しているとみられます。17年度(17年4月~18年3月)の成長率は+6.8%を見込んでいます。

 

 

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【ポイント2】年前半インフレ率が低下

中銀は8月に利下げを実施

 

■17年の消費者物価は食品価格の下落などから年前半に低下基調となり、6月には前年同月比 +1.5%と、インド準備銀行(中央銀行、RBI)の目標レンジ(4.0%±2.0%)の下限を下回りました。その後は上昇に転じていますが、総じてインフレ率は低水準にあります。

■RBIは8月の金融政策委員会で、インフレ率の低下を背景に政策金利を0.25%引き下げて、2010年以来の低水準となる6.00%としました。

 

 

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【今後の展開】18年度は7.8%の高成長へ

 

■景気はGST導入に伴う混乱から持ち直す局面に入っており、10月に政府が打ち出した景気対策も後押しすることから、今後の経済成長は高まるとみられます。18、19年度の実質GDP成長率は、モディ政権の構造改革が進む中、消費や投資主導の景気拡大により、それぞれ+7.8%、+7.9%を予想しています。

■また、18年度のインフレ率は、景気拡大に伴い+5.5%に加速すると想定しています。金融政策は当面据え置きが見込まれますが、18年2月に発表される18年度予算案が注目されます。19年前半に予定される総選挙をにらんで財政が拡張的になるようであれば、RBIは将来の財政赤字拡大、物価上昇を警戒し、金融政策を引き締め姿勢に転換する可能性があります。

 

 

 

(2017年 12月 20日)

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