2018年ブラジル経済の見通し 18年は2.6%成長を予想、政治リスクに留意

2018年ブラジル経済の見通し 18年は2.6%成長を予想、政治リスクに留意

 

【ポイント1】17年はプラス成長転換

3年ぶりの景気回復

 

■17年7-9月期の実質GDPは前期比+0.1%と、3四半期連続のプラス成長となりました。前年同期比でも+1.4%と2四半期続けてプラスとなるなど、16年まで2年連続でマイナス成長だった景気は底入れし、緩やかな回復傾向にあります。インフレ率の低下と金融緩和による個人消費の増加が背景です。17年の実質GDP成長率は+1.0%と、3年ぶりのプラス転換を見込んでいます。

 

 

20171218lt1

 

 

 

【ポイント2】インフレ率が大きく低下

中銀は大幅な利下げを実施

 

■17年の消費者物価(前年同月比)は、1月の+5.4%から8月の+2.5%まで大幅に低下しました。その後、3カ月連続で小幅加速しましたが、11月は同+2.8%と、ブラジル中央銀行(以下、中銀)の目標レンジ(4.5%±1.5%)の下限を下回っており、インフレ率は落ち着いています。

■中銀は16年10月以降、インフレ率の低下を背景に、10会合連続で政策金利を累計7.25%引き下げました。ただし、足元では利下げ幅を縮小させており、金融緩和は終盤に近いとみられます。

 

 

 

 

20171218lt2

 

 

【今後の展開】18年は2.6%成長へ、政治リスクに留意

 

■弊社は、18年の実質GDP成長率を消費や投資主導の景気回復により+2.6%と予想しています。また、18年末の消費者物価(前年同月比)を+4.3%と、景気回復に伴い中銀の目標近辺に上昇すると予想しています。18年の金融政策は2月の会合で小幅の追加利下げが行われた後、年末にかけてやや引き上げられるとみています。ただし、18年のブラジル経済は政治リスクに注意が必要です。海外投資家はテメル政権が年金制度改革など構造改革を進められるかに注目しており、その進捗状況が直接投資を通して景気に影響を及ぼす可能性があります。また、10月には大統領選挙が控えており、選挙結果次第で経済の波乱要因となるリスクがあります。

 

 

 

(2017年 12月 18日)

印刷用PDFはこちら↓

今日のマーケット・デイリー 2018年ブラジル経済の見通し 18年は2.6%成長を予想、政治リスクに留意

関連マーケットレポート

2017年12月07日 ブラジルの金融政策(2017年12月)

2017年11月21日 ブラジルの経済・市場動向(2017年11月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会