ユーロ圏経済の動向 景況感は上昇基調、堅調な経済成長が続く見込み
ユーロ圏経済の動向 景況感は上昇基調、堅調な経済成長が続く見込み
【ポイント1】堅調な経済成長
景況感も改善が続く
■ユーロ圏景気は引き続き堅調です。2017年7-9月期のユーロ圏の実質GDP成長率(確報値)は前期比+0.6%、前年同期比+2.5%となり、潜在成長率を上回る景気拡大が続いています。
■景気の先行きを見るうえで参考となる、欧州委員会による11月のユーロ圏総合景況感指数は、114.6と一段と改善しました。また10月分は114.0から114.1へ上方修正されました。同指数は、2012年10月を底として上昇基調にあります。
【ポイント2】物価はECB目標を下回る
ECBは量的緩和縮小・延長を決定
■ユーロ圏の10月の消費者物価指数は前年同月比+1.4%となりました。市場予想(ブルームバーク集計)では、11月は同+1.6%が見込まれていますが、欧州中央銀行(ECB)が目標とする+2%近傍を下回っています。
■ECBは、10月下旬の理事会で、量的緩和策の資産購入額を来年1月から半減させ、期間を9カ月間延長すると発表しました。ECBは必要があれば、量的緩和の延長や資産購入規模の拡大を行うと、引き続き緩和的な姿勢を示しています。
【今後の展開】潜在成長率を上回る成長が続くと見込まれる
■ECBは量的緩和策の規模縮小と期間延長を発表しましたが、インフレについては緩やかな上昇にとどまると見られるため、政策金利を当面は据え置くと見られます。こうした低金利政策の継続は、景気の下支え要因と考えられます。政府支出の増加や低金利を背景に内需は堅調です。輸出は米国向けやアジア向けの回復により、全体として増加傾向が続きそうです。また好調な景況感から、ユーロ圏経済は潜在成長率を上回る成長が続くと見込まれます。
(2017年 11月 30日)
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