メキシコの金融政策(2017年11月)政策金利は据え置き、ペソ相場は神経質な展開か

2017/11/10

メキシコの金融政策(2017年11月)政策金利は据え置き、ペソ相場は神経質な展開か

 

【ポイント1】政策金利は据え置き

3会合連続の据え置き

 

■9日、メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は金融政策決定会合で政策金利(翌日物銀行間レート)を7.00%に据え置きました。据え置きは全会一致で、市場予想の通りでした。

 

 

20171110lt1

 

 

 

【ポイント2】インフレは高止まり

中銀は低下傾向を見込む

 

■9日に発表された10月の消費者物価の前年同月比は+6.37%と、中銀の物価目標レンジ(+2~4%)を大きく上回って高止まりしています。

■中銀の声明文によると、来年にかけて物価は低下傾向となると見られています。ただし、労働市場のひっ迫などが、今後の物価上昇要因となりそうです。

■また、10月31日に発表された2017年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+1.6%と、底堅い結果となりました。9月に発生した大地震やハリケーンの影響により前期から減速したものの、経済成長率は来年前半にかけて加速すると見込まれます。

 

 

20171110lt2

 

 

 

【今後の展開】ペソ相場は神経質な展開か

 

■政策金利は2015年の年末から2017年6月にかけて引き上げられており、中銀はこの効果を見極めるために当面様子見をする可能性が高いと見られます。また、2018年夏に大統領選挙が予定されていることなどから、政策金利は来年前半にかけて据え置かれる見込みです。

■メキシコペソは、2017年年初に対米ドルで過去最安値をつけましたが、米トランプ政権による保護主義的な通商政策への懸念が後退したことで、9月にかけて反発しました。その後は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉の先行き不透明感や、米国の利上げ観測などからペソは軟調に推移しています。メキシコの高い金利水準は魅力的ではあるものの、NAFTAの不透明感や物価の高止まりなどが、ペソ相場の重石となりそうです。

 

(2017年 11月 10日)

印刷用PDFはこちら↓

今日のマーケット・デイリー メキシコの金融政策(2017年11月)政策金利は据え置き、ペソ相場は神経質な展開か

関連マーケットレポート

2017年11月02日 米国の金融政策(2017年11月)

2017年06月23日 メキシコの金融政策(2017年6月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ