上昇ペースの鈍化が続く『中国の住宅価格』

2017/10/25

<今日のキーワード>上昇ペースの鈍化が続く『中国の住宅価格』

中国国家統計局が10月23日に発表した9月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、『中国の住宅価格』は全体では大都市を中心に落ち着きが見られます。地方の中堅都市では価格がなお上昇しているものの、前年同月比の伸び率は7月でピークアウトした模様です。中国政府による住宅価格政策は、うまく機能しているようです。

【ポイント1】9月は価格上昇都市が44に減少

価格下落都市数は横ばい

■2017年9月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、主要70都市のうち、前月比で価格が上昇したのは44都市と、8月の46都市から2減少しました。価格が値上がりした都市数は3カ月連続で減少し、2016年1月以来の低水準となりました。

■一方、価格が下落したのは8月から横ばいの18都市となりました。

 

【ポイント2】価格は緩やかな上昇を維持

ペースは鈍化傾向

■当社の分析によれば、主要70都市の新築住宅価格を1人当たり所得で加重平均すると、全体で9月は前月比+0.11%と、8月の同+0.13%から伸び率が鈍化しました。

■北京などの大都市では、2016年前半をピークに前年同月比の伸び率が鈍化してきました。一方、地方の中堅都市は、価格上昇が続いていますが、上昇率は7月をピークに緩やかに鈍化しています。

 

 

171025MK

 

 

 

【今後の展開】住宅バブル抑制策と景気対策のバランスがカギに

■9月の同統計では、前月比で住宅価格が上昇した都市数が3カ月連続で減少したほか、北京や上海も下落に転じるなど、大都市での価格沈静化の傾向が一層強まりました。大都市での住宅販売抑制策や、人民銀行による引き締め気味の金融政策といった住宅市場のバブル抑制策の効果が広がってきていると考えられます。

■中国政府は住宅市場のバブル抑制に注力する一方で、景気を悪化させる過度な価格調整には慎重であると見られます。難しい経済運営が求められますが、これまでのところ中国政府の住宅価格政策はうまく機能している模様です。

 

 

 

(2017年 10月 25日)

印刷用PDFはこちら↓

上昇ペースの鈍化が続く『中国の住宅価格』

 

関連マーケットレポート

2017年10月19日 最近の指標から見る中国経済(2017年10月)

2017年09月20日 落ち着きを見せる『中国の住宅価格』

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ