9月の都心5区の『オフィスビル空室率』は3.17%

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『オフィスビル空室率』や平均賃料は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃に公表しています。2012年には9%台であった空室率は3%台まで低下し、平均賃料は上昇基調となりました。ただ、3%台と極めて良好な空室率にもかかわらず、平均賃料は緩やかな上昇にとどまっています。2018年以降の新築ビルの大幅供給増を控え、今後の空室率と平均賃料の動向が注目されます。

【ポイント1】『オフィスビル空室率』は3.17%

過去と比べて非常に良好な水準

■10月12日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の9月の『オフィスビル空室率』は、前月比▲0.18%ポイントの3.17%となりました。空室率は、2012年6月の9.43%を直近のピークとして低下傾向にあります。過去15年間(2002年10月~2017年9月)の平均値6.10%と比べても非常に良好な水準にあります。

■9月は、新築ビル(竣工1年以内)及び既存ビルに大型の成約が見られたことや、解約や募集開始の影響が小さかったこともあり、空室率の低下につながりました。

 

【ポイント2】平均賃料は45カ月連続の上昇

既存ビルを中心に緩やかな上昇が続く

■9月の都心5区の平均賃料は前年同月比+3.59%、前月比+0.20%の18,995円(坪当たり)と、45カ月連続で上昇しました。

■平均賃料は、前月比では新築ビル、既存ビルともに上昇しました。一方前年同月比では、既存ビルは2014年5月以降上昇基調となっていますが、新築ビルは2017年3月以降マイナスに転じており、9月は同▲3.55%の低下となっています。

 

 

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【今後の展開】当面は『オフィスビル空室率』の低水準が続く見込み

■東京のオフィスビル市場では、2017年内は新築ビルの供給は限定的であるため、当面空室率は、低水準で推移すると見込まれます。一方、2018年以降は新築ビルの大幅な供給増加を控えており、今後の『オフィスビル空室率』に徐々に影響が出始めると見られます。ただし、当面日銀による金融緩和政策が続く見込みであることから、低水準の長期金利と企業の根強いオフィスビルへの需要が空室率の下支え要因になると考えられます。

 

 

 

(2017年 10月 18日)

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